[重要事項説明書 解説シリーズ] 海岸法とは?海岸保全区域・一般公共海岸区域の建築制限と許可を解説|重説シリーズ㉗
海岸法の目的と、海岸保全区域・一般公共海岸区域の違いを整理。区域図や指定告示による該当性の確認、工作物設置・占用・掘削等に必要となる許可、建築確認と併せた調査の要点を解説します。
📑 目次
ミナさん海の近くの不動産を売るとき、海岸法まで確認する必要があるのですか?
リク海岸保全区域ではないと思い込んで、確認を後回しにしてしまいそうです。
タケさん海岸保全区域だけじゃなく、一般公共海岸区域も確認の対象なんだよ。区域内では、工作物や土地の形状変更なんかに海岸管理者の許可が必要になる可能性があるんだ。
海岸法とは何かをわかりやすく整理する
海岸法は、津波、高潮、波浪その他海水又は地盤の変動による被害から海岸を防護するとともに、海岸環境の整備・保全と、公衆による海岸の適正な利用を図るための法律です。
売却予定地が海に近い場合は、「海岸保全区域」だけを見るのでは足りません。公共海岸のうち海岸保全区域ではない「一般公共海岸区域」に当たるかも、あわせて確認することが重要です。
売れないと言われた物件でも、相談はできます。再建築不可・残置物あり・長年の放置もそのままでどうぞ。相談は無料です。
無料で相談してみる海岸保全区域と一般公共海岸区域の位置づけ
| 区分 | 位置づけ・確認のポイント |
|---|---|
| 公共海岸 | 国又は地方公共団体が所有し公共の用に供されている海岸の土地等と、指定・公示された低潮線までの水面から成る区域 |
| 海岸保全区域 | 海岸防護のため、海岸保全施設の設置その他の海岸保全に必要な行為を規制する必要がある区域として指定される区域 |
| 一般公共海岸区域 | 公共海岸のうち海岸保全区域以外の区域。土地占用や土石採取等について海岸法に基づく管理の対象となる区域 |
海岸保全区域の範囲は距離だけで決めない
海岸保全区域は、海水又は地盤の変動による被害から海岸を防護するために、都道府県知事が指定する制度です。区域境界が不明確にならないように措置すべきものとされています。
範囲は一律ではありません。国土交通省は原則として、満潮時の水際線から陸地側50メートル、干潮時の水際線から水面側50メートルの範囲を示していますが、個別の指定区域は指定告示や区域図等で確認します。
現場では、平面図を開いて緑線で囲まれた水域・陸域を確認する場面があります。福岡市は、このような平面図上の緑線に囲まれた水域・陸域が海岸保全区域に該当すると案内しています。距離感だけで判断せず、指定告示、区域図、位置・境界の記載を確認しましょう。
リク海から少し離れて見える土地でも、50メートルだけ見て判断してはいけないということですね。
ミナさん一般の方は、海岸保全区域ではなければ確認不要だと思ってしまいそうです。
タケさんそこがよくある失敗なんだよ。海岸保全区域じゃないことだけを確認して一般公共海岸区域を見落とすと、許可が必要な行為の確認が抜ける可能性があるんだ。
区域内で制限される行為と海岸管理者の許可
海岸保全区域内では、公共海岸の土地に海岸保全施設以外の施設・工作物を設けて占用する場合、海岸管理者の許可が必要です。また、土石の採取、水面又は公共海岸以外の土地での施設・工作物の新設又は改築、土地の掘削、盛土、切土なども、原則として許可が必要です。
一般公共海岸区域でも、水面を除く区域で施設又は工作物を設けて占用しようとする場合には、海岸管理者の許可が必要です。土石採取、水面における施設・工作物の新設又は改築、土地の掘削、盛土、切土などについても、原則として許可が必要です。
許可の審査では、海岸保全施設等の機能・安全性への支障、潮位又は波高の上昇等による海岸防護上の問題、海岸環境及び公衆の海岸利用への支障がないかが確認事項に含まれます。対象となる行為や審査内容は、海岸管理者に確認してください。
売却前に進める区域・許可確認の手順
ミナさん海岸法上の許可があれば、建築確認は不要になるのですか?
タケさんいいや、別に確認が必要なんだよ。海岸法上の許可の有無とは別に、建築計画の内容に応じた建築確認等の手続を確認するって話。
リク海岸管理者への確認と、建築確認等の確認を分けて進めるのですね。
許可の確認を後回しにしない理由
海岸保全区域等に施設を設置する許可の審査では、関係法令の許認可である建築確認を含む手続について、取得又は取得見込みが事業実施の確実性を確認する事項の一つとされています。
無許可占用や無許可行為、許可条件違反などに対しては、許可の取消し・条件変更、行為中止、工作物の改築・移転・除却、必要な防護施設の設置又は原状回復が命じられることがあります。一般公共海岸区域にも同様の監督処分規定が準用されます。
無許可の制限行為等は罰則の対象となり得ます。売却前には、対象地の区域該当性だけでなく、既存の工作物や利用状況について許可確認が必要な事項がないかを確認し、買主の利用計画にも関わる制約として整理しておくことが大切です。
✅ 海岸近くの売却物件で確認するチェックリスト
- 対象地の海岸保全区域該当性の確認
- 一般公共海岸区域に当たる可能性の確認
- 指定告示と区域図の位置・境界の確認
- 既存工作物の占用許可の要否確認
- 掘削・盛土・切土等の行為履歴の確認
- 土石採取に関する許可の要否確認
- 海岸管理者への許可対象・審査内容の確認
- 建築確認等の別手続の要否確認
海岸法の確認は区域と行為を分けて進める
まとめると、海岸法の確認では、海岸保全区域だけでなく一般公共海岸区域も視野に入れ、指定告示や区域図等で対象地の区域該当性を確認します。そのうえで、工作物の新築・改築、占用、土地の形状変更、土石採取など、実際の行為ごとに海岸管理者の許可が必要かを確認します。
実務者として押さえるべきは、海岸法上の許可と建築確認等の手続を混同しないことです。区域、既存の利用状況、予定する行為を分けて整理することで、売却時の説明と確認を進めやすくなります。ご不明な点は、無料相談で個別にお答えしています。お気軽にご相談ください。
出典: e-Gov法令検索 / 官公庁(thr.mlit.go.jp) / 国土交通省 / 自治体(city.fukuoka.lg.jp)
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