都市再開発法とは?「第一種」と「第二種」の違いと建築制限を解説|重説シリーズ⑱
都市再開発法の「第一種市街地再開発事業」と「第二種市街地再開発事業」の違いを徹底解説。権利変換方式と管理処分方式の違い、建築制限、重要事項説明のポイントを初心者にもわかりやすく図解します。
📑 目次
都市再開発法とは?「第一種」と「第二種」の違いと建築制限を解説|重説シリーズ⑱
❓ 駅前にある古い家を持っているけど、再開発の話が来たらどうなるの?
❓ 「権利変換(けんりへんかん)」って何?お金で買い取られるのとは違うの?
❓ 「第一種」と「第二種」再開発、どっちが良いの?
「都市再開発法」は、駅前広場やタワーマンションなどを建設し、都市の機能を一新する**「市街地再開発事業」**について定めた法律です。不動産取引では、事業の仕組み(土地が新しいビルの床に変わる)や、事業中の**厳しい建築制限**を正しく理解することが極めて重要です。
🏢 法律の目的と役割:都市の高度利用と防災
都市再開発法は、1969年(昭和44年)に制定されました。低層の木造住宅が密集し、道路も狭くて危険なエリアなどを、防災性が高く、土地を有効活用(高度利用)できる近代的な街へと生まれ変わらせることが目的です。
この法律による「市街地再開発事業」は、駅前のランドマークとなるような大規模なビルやマンション建設で多く活用されています。
市街地再開発事業のメリット
- 不燃化・防災化: 木造密集地を耐火建築物(ビル)に変え、道路や広場を整備します。
- 高度利用: 小さな敷地をまとめて大きなビルを建て、土地を有効活用します。
- 権利の保護: 土地を売って出ていくのではなく、新しいビルの「床(権利)」を取得して住み続けられます。
🏘️ 「第一種」と「第二種」 2つの再開発手法
市街地再開発事業には、権利の扱い方が異なる「第一種」と「第二種」の2つの手法があります。不動産取引では、対象物件がどちらの事業に含まれるかを確認することが第一歩です。
(図解:第一種(権利変換)と第二種(用地買収)の仕組みの違い)
1. 第一種市街地再開発事業(権利変換方式)
現在行われている再開発のほとんど(約9割以上)がこのタイプです。
現在の土地や建物の権利を、等価交換で新しい再開発ビルの「床(専有部分)」と「土地の共有持分」に置き換えます。これを**「権利変換(けんりへんかん)」**といいます。
原則として、地権者が設立した「再開発組合」などが施行者となります。土地収用(強制的な取り上げ)の権限はありません。
2. 第二種市街地再開発事業(用地買収方式)
防災上きわめて危険な地域や、大規模なインフラ整備が必要な場合など、公共性・緊急性が高いケースで行われます。
施行者(自治体など)が一旦すべての土地・建物を**「買収(または収用)」**します。基本的には金銭補償で退去することになりますが、希望すれば新しいビルの床を取得することも可能です(管理処分方式)。
🚧 事業に伴う2段階の「建築制限」
再開発事業が決まったエリアでは、事業の妨げになるような新しい建築ができなくなります。この制限は、事業の進捗に合わせて2段階で厳しくなります。
促進区域
許可される可能性あり
建築・造成は不許可
(図解:事業の進捗に伴い、制限が厳しくなるイメージ)
1. 準備段階:「市街地再開発促進区域」(法第7条の4)
まだ事業計画は確定していないが、「将来ここで再開発をやりますよ」と都市計画で決まったエリアです。
ここでは、容易に移転・除却できるような簡易な建物(木造2階建て以下など)であれば許可されますが、鉄筋コンクリート造のビルなどの建築は制限されます。
2. 実行段階:「施行地区内」の制限(法第66条)
事業計画が認可され、正式にスタートした後のエリアです。ここからは、事業の障害となる行為は一切許されません。
事業完了(工事完了の公告)まで、以下の行為には**都道府県知事等の「許可」**が必要となります。
⚠️ 知事の「許可」が必要な行為(法66条)
- 土地の形質の変更(切土、盛土、造成など)
- 建築物・工作物の新築、改築、増築
- 重さが5トンを超える物件の設置・堆積
※事実上、新しい建築はほぼ不可能です。
✅ 重要事項説明での扱いとチェックポイント
取引する土地が再開発エリア内にある場合、宅地建物取引業者はその内容を重要事項説明(重説)で買主に説明する義務があります。
1. 重説で説明される項目
重説では、主に以下の点が説明されます。
- 法律名: 都市再開発法
- 区域の指定:
- 「市街地再開発促進区域」(法7条の4)
- 「市街地再開発事業の施行地区」(法66条)
- 制限の概要: 建築等の行為に**「許可」**が必要であること。
- 権利変換(法95条の2): 「個別利用区」内の土地などで、使用収益が停止されている場合はその旨。
2. 買主・仲介業者のチェックポイント
新人営業マンや買主様は、以下の点に注意して確認しましょう。
都市再開発法 取引チェックポイント
- ① 第一種か第二種か?
「第一種(権利変換)」であれば、将来的に新しいマンションの床を取得できますが、「第二種(買収)」であれば、原則として金銭補償で立ち退くことになります。土地の資産価値や将来設計が全く異なります。 - ② どの段階にあるか?
まだ「促進区域(準備中)」なのか、もう「施行地区(事業中)」なのか。事業中であれば、建築許可は下りないため、既存建物のリフォームすら難しい可能性があります。 - ③ 権利変換計画の内容は?
もし事業が進んでいる場合、今の土地が将来「どのくらいの広さの、どの階の床」に変換される予定なのか、組合に確認する必要があります。
❓ FAQ(よくある質問と回答)
Q1: 再開発エリア内の古いマンションを買っても大丈夫ですか?
A1: 注意が必要です。再開発が進めば、そのマンションは取り壊され、新しいタワーマンション等に建て替わります。購入者は「権利変換」で新しい部屋を取得できますが、新しい部屋の価格(保留床価格)との差額を支払う必要があるかもしれません。また、工事期間中は仮住まいが必要になります。
Q2: 「権利変換」を拒否して、お金をもらって出ていくことはできますか?
A2: 第一種事業でも可能です。権利変換を希望しない旨を申し出れば(「転出」といいます)、金銭による補償を受けて、権利を手放して他の場所へ引っ越すことができます。
Q3: 「個別利用区」とは何ですか?
A3: 再開発エリア内でも、歴史的建造物や既存の有用なビルなど、取り壊さずにそのまま残す(または移転する)区域のことです。この区域に指定された土地は、権利変換期日後も一時的に使用収益が停止されるなどの制限(法95条の2)がかかる場合があります。
Q4: 再開発組合の設立には、住民の何割の賛成が必要ですか?
A4: 第一種事業を個人や組合が行う場合、原則として施行地区内の土地所有者および借地権者の**「3分の2以上」**の同意が必要です。かなり高いハードルなので、計画が持ち上がっても合意形成に長い時間がかかることが一般的です。
まとめ
「都市再開発法」は、都市の姿を一新する強力な法律です。再開発エリア内の不動産取引は、通常の売買とは全く異なる知識が必要になります。
🔑 都市再開発法における重要ポイント
- 第一種(権利変換): 現在の権利が、新しいビルの床に変わる。
- 第二種(買収): 緊急性が高く、土地は強制的に買収される。
- 建築制限: 事業認可後は、建築やリフォームが原則禁止(許可制)となる。
売買・仲介に携わる宅地建物取引業者は、対象物件が再開発エリアに入っている場合、その事業の種類(一種/二種)や進捗状況、そして将来どのような権利が得られるのかを、再開発組合や自治体に綿密に調査し、説明する責任があります。
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❓ よくある質問(FAQ)
空き家を売却する際に必要な書類は何ですか?
空き家を売却する際には、以下の書類が必要です:
- 登記済権利証または登記識別情報
- 固定資産税納税通知書
- 建物の図面や測量図
- 身分証明書
査定にはどのくらいの時間がかかりますか?
通常、現地調査を含めて1〜3営業日で査定結果をご報告いたします。お急ぎの場合は、最短即日での査定も可能です。