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抵当権・差押えがある不動産 売却前に知る登記の見方

重要事項説明書 解説シリーズ • • 👁️ 4 views
抵当権・差押えがある不動産 売却前に知る登記の見方

売買契約前に交付される書面では、登記された権利の種類・内容や名義人が確認されます。登記事項証明書の表題部・甲区・乙区の違い、抵当権や差押えが記録されている場合の確認ポイントを整理します。

📑 目次

ミナミナお客様から「相続した家を売りたいのですが、登記された権利に差押えと書かれていて不安です」というご相談がありました。登記された権利とは、どういう意味ですか。

タケさんタケさん結論から言うと、土地や建物の記録に載っている権利のことだよ。抵当権や差押えが見つかったら、引渡しまでに登記から消すかを契約で決める。消えるはずだと思い込まないことが大事なんだ。

リクリク手順としては、まず甲区と乙区の2つを読み、その後に契約で消すかを決める形でよいですか。

売却前に見える「登記された権利」

売却を考えて登記事項証明書を開くと、甲区と乙区の2つの欄が目に入ります。甲区に差押え、乙区に抵当権があると、買う人は「この記録を残したまま受け取るのか」を気にします。ここで慌てて、必ず消えるものだと伝えるのは危険です。まず、何が記録されているかを読みます。そのうえで、引渡しまでに登記から消すかを契約で決めます。

重要事項説明宅建業者が契約前に、物件や取引条件の重要な事項を宅地建物取引士が書面で説明すること。買主・借主が不利益を受けないための手続きです。は、契約が成立するまでに物件の大切な点を伝える説明です。不動産取引のルールを定める宅地建物取引業法第35条宅地建物取引業法で、契約の前に買主・借主へ重要事項を書面で説明する義務を定めた条文。重要事項説明書(重説)の根拠となる規定です。第1項第1号では、登記された権利の種類と内容が説明の対象です。登記名義人、つまり権利部に権利者として記録されている人や法人の氏名・名称も伝えます。所有権の登記がない不動産では、表題部所有者、つまり表題部に所有者として記録された人も対象です。

この説明は、重要事項を記載した書面を交付して行われます。宅地建物取引士、つまり不動産取引の重要事項を説明する資格者が説明します。買う人にとって大切なのは、難しい言葉を覚えることではありません。どの土地・建物について、誰に関わるどの権利が記録されているのかを、書面で一つずつつかむことです。

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登記事項証明書で最初に読む3つの場所

見る場所記録されること買う前に読む意味
表題部土地・建物の表示対象を取り違えない
甲区所有権に関する記録所有者と取得の経緯を見る
乙区所有権以外の権利抵当権などを見る

甲区は所有者、乙区は抵当権などを見る場所です

登記事項証明書は、登記記録に記録されている事項の全部または一部を証明する書面です。登記簿とも呼ばれますが、登記記録が記録された帳簿を指します。土地・建物ごとに作られる記録は、表題部と権利部に分かれています。表題部は、土地や建物の表示に関する記録です。土地では所在や地番、地目、地積などが記録されます。建物では所在や家屋番号、種類、構造、床面積などが記録されます。

権利部は、権利に関する記録です。権利部は甲区と乙区に分かれます。甲区には所有権、つまり土地や建物を自分のものとして持つ権利に関する記録が載ります。所有者が誰か、いつ、売買や相続などのどのような原因で所有権を取得したかを読めます。差押えは甲区に記録される例として案内されています。

乙区には、所有権以外の権利に関する記録が載ります。抵当権設定登記は乙区に記録される例です。抵当権は、借入れの返済を確保するために不動産を担保にする権利です。同じ不動産に複数の抵当権があるときは、登記の前後で順位が決まります。甲区と乙区の記録を分けて読むと、所有者に関する記録と、抵当権などの記録を混同せずに済みます。

ミナミナ抵当権はどういう意味ですか。家に住んでいるなら、もう問題はないのでしょうか。

タケさんタケさん抵当権は、不動産を担保にして、抵当権者がほかの債権者より先に弁済を受ける権利だよ。債務者や別の人が占有を移さないまま担保にする仕組みなんだ。住んでいることだけで、登記を消すかどうかは決まらない。

リクリク差押えは甲区にある記録ですね。買う人へ渡す前に、登記から消すかを契約で決める必要がありますね。

抵当権・差押えを見つけたときの進め方

登記事項証明書を用意する
→
表題部で対象の土地・建物を読む
→
甲区で差押えなどの記録を読む
→
乙区で抵当権などの記録を読む
→
引渡しまでに登記から消すかを契約で決める

見つけた後は、この順で話を進めます

1. 登記事項証明書を用意します。土地・建物の登記事項証明書は、法務局へオンラインで交付請求できます。受け取りは指定住所への郵送か、指定した登記所などの窓口を選べます。

2. 表題部を読みます。土地なら所在や地番、建物なら所在や家屋番号を見て、これから売る対象と証明書の対象が合っているかをつかみます。

3. 甲区を読みます。所有者に関する記録に加え、差押えや仮処分などの記録例がある場所です。差押えは、強制競売の開始決定後に、裁判所書記官が法務局へ登記を嘱託する流れがあります。

4. 乙区を読みます。抵当権が記録されていれば、担保に関する権利が載っています。住宅ローンなどを完済した場合には、抵当権抹消登記、つまり抵当権の記録を消す登記の申請が案内されています。

5. 抵当権や差押えがあるときは、引渡し、つまり物件を買う人へ渡す時点までに登記から消すかを契約で決めます。誰かの口約束ではなく、買う人と売る人が確認できる契約の内容にします。

よくある失敗は「抵当権だけ」を見て判断することです

よくある失敗は、乙区の抵当権だけを見て、甲区を読まないことです。抵当権は乙区、差押えは甲区に記録される例があります。片方だけを読めば、もう片方に記録された権利を見落とします。

この見落としが起きるのは、抵当権という言葉が目立ち、登記事項証明書を一つの欄だけで読み終えてしまうからです。表題部で対象を合わせ、甲区で所有権に関する記録を読み、乙区で所有権以外の権利を読む順番を固定すると、読む場所がぶれません。

差押えがあれば、その記録がある事実を前提に、引渡しまでに登記から消すかを契約で決めます。抵当権があれば、抵当権の記録をどう扱うかを同じように契約で決めます。記録があることと、契約でどう扱うかは分けて考えます。

✅ 登記事項証明書を読む前の確認項目

  • 表題部の土地・建物が売却対象と一致するか
  • 甲区で所有者に関する記録を読めたか
  • 甲区に差押えの記録がないか
  • 乙区に抵当権の記録がないか
  • 登記名義人の氏名または名称を読めたか
  • 記録を引渡しまでに消すか契約で決めるか

登記された権利は、消える前提でなく読むことから始めます

まとめると、重要事項説明では、登記された権利の種類と内容、登記名義人などが説明されます。登記事項証明書では、表題部で対象を合わせます。次に甲区で所有権に関する記録を読み、乙区で抵当権などの記録を読みます。

抵当権や差押えが記録されていたら、記録を見なかったことにはできません。引渡しまでに登記から消すかを契約で決めます。買う人にとっても売る人にとっても、記録の場所と契約で決める内容を分けて整理することが出発点です。ご不明な点は、無料相談で個別にお答えしています。お気軽にご相談ください。

出典: e-Gov法令検索 / 法務省 / 官公庁(courts.go.jp)

参考(グラウンディング): 全日本不動産協会 重要事項説明書(売買編)解説書(作成時点)

この記事で参照した法令(e-Gov法令検索): 定める宅地建物取引業法

小野海士

この記事を書いた人

小野海士宅地建物取引士株式会社オッティモ 代表取締役

不動産実務15年。東京都荒川区を拠点に、相続・空き家・訳あり物件の買取(日本全国)や売却(関東・大阪・名古屋・福岡と、その他一部地域)のご相談を手がける。「他社に断られた物件」の相談を数多く受けてきた経験から、難しい不動産の手放し方を分かりやすく解説している。不動産業者向け業務SaaS「anken.」の開発者でもある。

公開日 最終更新

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