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アスベスト調査記録がある建物を売る前に確認したいこと

重要事項説明書 解説シリーズ • • 👁️ 2 views
アスベスト調査記録がある建物を売る前に確認したいこと

建物に石綿使用の調査記録がある場合、契約前には調査機関・範囲・時期、使用の有無や箇所などが伝えられます。記録がない場合の扱いと、改修・解体時に必要となる事前調査も整理します。

📑 目次

ミナミナお客様から「買う前に、石綿が使われているかもしれない家について、説明書のどこを見ればいいですか」というご相談がありました。契約成立前の説明では、まず1つ見る場所がありますか。

タケさんタケさん結論から言うと、石綿の調査結果の記録があるかを見る。記録があれば、重要事項説明宅建業者が契約前に、物件や取引条件の重要な事項を宅地建物取引士が書面で説明すること。買主・借主が不利益を受けないための手続きです。でその中身が説明されるんだ。

リクリク手順としては、契約成立前に説明を受けるとき、記録の有無から聞く形でよいですか。

石綿が使われているかもしれない家を買う前に見ること

家を買う前に見るべきなのは、石綿(アスベスト)の使用を調べた記録が残っているかどうかです。石綿調査結果の記録とは、石綿を使っているかを調べた結果を書き残したものです。記録が保存されているときは、重要事項説明(=契約成立前に大切な内容を説明すること)で、その内容が説明されます。

この仕組みは、建物について定められています。土地だけの取引に、そのまま当てはめる話ではありません。買う人は、記録の有無だけで終わらせず、記録があるなら何を調べたのかまで聞くことが大切です。調査した範囲が建物全体ではない記録なら、見ていない場所があることも説明されます。

一方で、記録が無いことと、石綿が使われていないことは同じではありません。この説明の項目は、記録がある場合に内容を伝える仕組みです。記録が無いときに、新たな調査を行う義務まで定めたものではありません。ここを分けて受け止めると、説明書の言葉を取り違えずに済みます。

根拠は、宅地建物取引業法施行規則第16条の4の3第4号です。同規則は、建物について石綿使用の有無の調査結果が記録されているとき、その内容を説明事項として定めています。宅地建物取引業法(=不動産取引の説明の仕組みを定める法律)も、契約成立前に一定の大切な事項を説明する制度を定めています。

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石綿調査結果の記録があるときに見る内容

見る内容説明で確かめること
調べた組織どの組織が調べたか
調べた範囲建物のどこまで調べたか
調べた年月日いつ調べたか
石綿の使用使われているか
使用されている箇所建物のどこか

記録が無いときは、新たな調査の話と分けて考えます

石綿調査結果の記録が無いとき、この重要事項説明の仕組みだけで、新たな調査が義務になるわけではありません。国土交通省の解釈・運用でも、この仕組みは、石綿使用の有無を調べること自体を義務付けるものではないと示されています。

記録に必要な情報の一部が見当たらないときは、売主などに補足情報を尋ねます。それでも分からなければ、分からない旨が説明されます。買う人は、空欄や不明な記載を見つけたとき、「何が分からないのか」を分けて聞くと整理しやすくなります。

売主から提出された記録を説明する場合は、その調査が売主などの責任で行われたものだと明らかにされます。また、建物全体を調べた記録ではない場合は、調べた範囲に限りがあることも明らかにされます。記録の有無だけでなく、誰が、どこまで調べた記録かを受け取ることが重要です。

購入前に石綿の記録を確認する順番

1. 契約成立前に重要事項説明を受けます
→
2. 石綿調査結果の記録があるかを聞きます
→
3. 記録があれば、調べた組織・範囲・年月日・使用の有無・箇所を聞きます
→
4. 一部が分からなければ、売主などへの照会後も不明な項目かを聞きます

ミナミナお客様から「工事の前にも石綿を調べると聞いた」とご相談がありました。同じ調査と考えてよいですか。

タケさんタケさんそこは別の話だ。解体や改造、補修の前に行う事前調査は、工事のための仕組みなんだ。買う前の重要事項説明と混ぜないほうがいい。

リクリク購入前は記録の説明を受け、工事を行う段階では工事前の調査を考える、と分けて聞けばよいですね。

工事前の石綿調査とは、目的が違います

購入前の重要事項説明と、工事前の石綿の事前調査(=解体や補修の前に、対象の材料を調べること)は別の仕組みです。工事前の事前調査は、大気汚染防止法(=工事の際の石綿飛散を防ぐための法律)に基づき、建築物などの解体、改造、補修を行う際の制度として案内されています。

環境省は、この事前調査を、特定建築材料(=石綿を含む可能性がある建築材料)が使われているかを調べるものと案内しています。解体などの工事では、元請業者または自主施工者に事前調査の義務があります。工事の発注者にも、調査費用の負担などで協力する義務があります。

つまり、購入前に受ける説明は、保存された調査記録の内容を知るためのものです。購入後に解体、改造、補修を行うなら、工事前の調査が別に関わります。重要事項説明で記録が無いからといって、工事前の調査の制度まで無くなるわけではありません。

✅ 購入前に説明の場で確認すること

  • 契約成立前に石綿調査記録の有無を聞くか
  • 記録があるとき、調べた組織を聞くか
  • 調べた範囲と調査年月日を聞くか
  • 石綿使用の有無と使用箇所を聞くか
  • 不明な項目が売主などへの照会後も不明か
  • 工事前の事前調査と混同していないか

よくある失敗は「記録なし」を「石綿なし」と読むことです

よくある失敗は、石綿調査結果の記録が無いという説明を、石綿が使われていないという意味で受け取ることです。「記録が無い」と「石綿を使っていない」は、似た言葉に見えるため混同が起きます。

この説明の仕組みは、記録が保存されているときに、その内容を説明するものです。記録が無いときに、新たな調査を行う義務まで定めたものではありません。説明を受ける際は、記録の有無、記録に書かれた内容、不明な項目を分けて確認します。

購入前に、記録と工事の話を切り分けます

まとめると、購入前は石綿調査結果の記録があるかを確認し、記録があれば調べた組織、範囲、年月日、石綿使用の有無、使用箇所を確認します。記録が無いことを、石綿が使われていない意味として受け取らないことも大切です。

解体、改造、補修を行う場合の事前調査は、購入前の重要事項説明とは別の仕組みです。まずは契約成立前の説明で、今ある記録から分かることと分からないことを整理してください。ご不明な点は、無料相談で個別にお答えしています。お気軽にご相談ください。

出典: e-Gov法令検索 / 国土交通省

参考(グラウンディング): 全日本不動産協会 重要事項説明書(売買編)解説書(作成時点)

この記事で参照した法令(e-Gov法令検索): 宅地建物取引業法施行規則

小野海士

この記事を書いた人

小野海士宅地建物取引士株式会社オッティモ 代表取締役

不動産実務15年。東京都荒川区を拠点に、相続・空き家・訳あり物件の買取(日本全国)や売却(関東・大阪・名古屋・福岡と、その他一部地域)のご相談を手がける。「他社に断られた物件」の相談を数多く受けてきた経験から、難しい不動産の手放し方を分かりやすく解説している。不動産業者向け業務SaaS「anken.」の開発者でもある。

公開日 最終更新

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