不動産を買う前に読む書類とは?主な項目と確認点
契約前に買う人へ交付・説明される書類には、権利関係や法令上の制限、設備、災害リスク、契約条件などが並びます。国の様式例をもとに、項目の全体像と読みたいポイントを整理します。
📑 目次
ミナお客様から「家を買う前にもらう重要事項説明書宅建業者が契約前に、物件や取引条件の重要な事項を宅地建物取引士が書面で説明すること。買主・借主が不利益を受けないための手続きです。は、どこを読めばいいですか」とご相談がありました。項目が多くて、途中から分からなくなるそうです。
タケさん結論から言うと、最初から全部を覚えなくていい。自分がその家でどう暮らすか、お金は何を払うか、やめるときはどうなるか。この順で読むと整理しやすい。
リク読む順番を決めるなら、契約が成立するまでの間に、買う人へ渡される書面だと最初に伝える形ですね。
重要事項説明書は、買う前に取引の土台を読む書面です
重要事項説明書(重説)は、家や土地を取得しようとする人が、契約前に受け取って説明を受ける書面です。宅地建物取引業法(=不動産取引のルールを定める法律)では、契約が成立するまでの間に、宅地建物取引士(=不動産取引の説明を担う資格者)が書面を交付して説明します。
書面には、説明する宅地建物取引士の氏名、登録番号、働く事務所を記す欄があります。取引態様(=売る側として関わるのか、代理するのか、間に入るのかという立場)も示されます。まずは、誰が説明するのかと、取引にどう関わるのかを見ます。
重説は、取得しようとする人が事前に知っておくべき最小限の事項を並べたものです。国土交通省も、載っている事項はいずれも取引判断に関わる重要な事項としています。テーブルに書面を広げたとき、見出しの多さに圧倒されるかもしれません。それでも、暮らし方、お金、解除の順に自分の予定へ結び付ければ、読む目的が見えてきます。
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無料で相談してみる重要事項説明書の前半で読む場所
| 並ぶ項目 | 書面で扱う内容 | 自分に結び付ける問い |
|---|---|---|
| 登記された権利 | 所有権と所有権以外の権利 | 権利はどう書かれているか |
| 法令に基づく制限 | 区域、用途、建ぺい率敷地面積に対して建物を建てられる面積(建築面積)の割合。用途地域ごとに上限が決まっており、敷地いっぱいに建てられるわけではありません。、容積率敷地面積に対する延べ床面積(各階の床面積の合計)の割合の上限。建物の総ボリュームを制限する指標です。、道路との関係 | 建て替えや住み方に合うか |
| 供給・排水施設 | 飲用水、電気、ガス、排水施設 | 生活に必要な施設は何か |
項目は「物件そのもの」と「取引条件」に分かれます
売買・交換用の様式は、対象となる宅地や建物に直接関係する事項と、取引条件に関する事項に分かれています。前半には、登記記録(=土地や建物の権利を公の記録に載せた内容)に記録された事項があります。所有権だけでなく、所有権以外の権利も扱います。
続いて、法令に基づく制限(=土地や建物の使い方にかかるルール)の概要が並びます。区域区分(=都市計画の区域内での区分)、用途地域都市計画法に基づき、地域ごとに建てられる建物の種類や用途を定めた区分。住居系・商業系・工業系などがあり、建てられる建物が変わります。(=建てられる建物の用途に関する地域の区分)、建ぺい率と容積率(=敷地に対する建物の大きさの上限に関わる割合)、敷地と道路との関係を扱う欄があります。建て替え、リフォーム(=住まいを直したり整えたりする工事)、住み方の予定と読み合わせる場所です。
私道(=個人などが所有・管理する道路)に関する負担も項目です。負担の有無、内容、面積、負担金を扱います。飲用水、電気、ガス、排水施設では、すぐ利用できる施設や整備予定、特別な負担の有無を扱います。飲用水は公営・私営・井戸、ガスは都市ガス・プロパンガスの別も見ます。
既存建物(=すでに完成している建物)では、建物状況調査(=建物の状態を調べた結果の概要)の実施の有無も項目です。新築時や増改築時の確認済証・検査済証(=工事に関する確認や検査を受けたことを示す書類)の有無を扱う欄もあります。マンションでは、管理・使用に関する事項、駐車場、修繕積立金(=マンションの将来の大規模な修繕のために、持ち主が毎月積み立てるお金)、管理費用なども加わります。
買う人が重要事項説明書を読む順番
災害の区域と水害ハザードマップも所在地で見ます
重要事項説明書では、造成宅地防災区域(=宅地の災害を防ぐために指定される区域)、土砂災害警戒区域土砂災害のおそれがある区域として都道府県が指定した区域(通称イエローゾーン)。重説では区域内かどうかの説明が必要です。(=土砂災害のおそれがあるとして指定される区域)、津波災害警戒区域(=津波災害のおそれがあるとして指定される区域)について、対象不動産が区域内か区域外かを扱います。
水害ハザードマップ(=水害のおそれを地図で示す資料)では、洪水、雨水出水(内水)(=雨水が排水しきれずにあふれる水害)、高潮ごとに、地図の有無と対象不動産の所在地を扱います。国土交通省は、各ハザードマップを示し、対象物件のおおむねの位置を示す考え方を示しています。
ここは、区域名だけを見て終えないことが大切です。書面で示された所在地を、自分が買おうとしている土地や建物と結び付けて読みます。建て替えや住み方を考える人は、法令に基づく制限の欄と分けて、災害に関する欄も読みます。
ミナお客様から「物件の欄を読んだら、もう契約の話は大丈夫ですか」とご相談がありました。お金や解除の欄は後回しになりやすいですね。
タケさんそこがよくある失敗だな。物件の説明だけで読み終えると、代金以外に払うお金や、解除の条件を読み落とす。書面が物件の事項と取引条件に分かれているから、前半だけで終わった気になりやすい。
リク手順としては、後半でお金、解除、ローンの順に読み、契約が成立する前に説明する宅地建物取引士へ聞く形でよいですか。
タケさんそれでいい。解除の条件と期限は、自分で言い換えられるまで聞く。金額が書かれた欄も、何のためのお金かを一つずつ見るんだ。
後半は、お金と解除を自分の言葉で説明できるまで読みます
取引条件に関する事項には、売買代金以外に授受される金額が並びます。契約の解除に関する事項もあります。損害賠償額の予定・違約金(=契約に反したときの支払いについて、あらかじめ決める内容)も項目です。ここでは、どの金額があり、どのような解除の条件や期限が書かれているかを読みます。
手付金等の保全(=支払った手付金などを守るための措置)は、宅地建物取引業者(=不動産の売買や仲介を仕事として行う、免許を受けた会社や人)が自ら売主となる場合に扱われます。支払金や預り金について保全措置を講じるか、その機関はどこかも項目です。ローンのあっせん(=資金を借りるための金融機関の紹介)では、金融機関、融資額、融資期間、利率、返済方法、保証料、ローン事務手数料を扱います。借入が成立しないときの措置も書面の項目です。
契約不適合責任(=引き渡された不動産が契約内容に合わないときの責任)については、責任の履行に関する措置の概要が載ります。措置を講じるかどうかと、その内容を扱う欄です。すべてを急いで判断するのではなく、予定している支払いと、やめる必要が出たときの条件に結び付けて読みます。
✅ 契約前に重要事項説明書で見ること
- 重要事項説明書を契約成立前に受け取る予定か
- 登記された権利の記載を読んだか
- 建て替えや住み方と制限が合うか
- 代金以外に払うお金の内容を読んだか
- 解除の条件と期限を説明できるか
- ローンが成立しないときの措置を読んだか
重要事項説明書は、見出しごとに自分の予定へ結び付けます
まとめると、重要事項説明書は、買う人が契約前に受け取る重要な書面です。まずは土地や建物に直接関係する事項を読み、建て替えや住み方の予定と照らし合わせます。次に、災害の区域と水害ハザードマップの所在地を見ます。最後に、代金以外に払うお金、解除、ローン、契約不適合責任に関する欄を読みます。
項目名を眺めて終えず、自分に関係する問いに置き換えることが大切です。分からない言葉が残るときは、説明する宅地建物取引士にその場で聞き、理解した内容を自分の言葉で整理します。ご不明な点は、無料相談で個別にお答えしています。お気軽にご相談ください。
参考(グラウンディング): 全日本不動産協会 重要事項説明書(売買編)解説書(作成時点)
この記事を書いた人
小野海士宅地建物取引士株式会社オッティモ 代表取締役
不動産実務15年。東京都荒川区を拠点に、相続・空き家・訳あり物件の買取(日本全国)や売却(関東・大阪・名古屋・福岡と、その他一部地域)のご相談を手がける。「他社に断られた物件」の相談を数多く受けてきた経験から、難しい不動産の手放し方を分かりやすく解説している。不動産業者向け業務SaaS「anken.」の開発者でもある。
公開日 最終更新
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