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流通業務市街地整備法とは?「流通業務地区」の建築制限と転売禁止ルール|重説シリーズ⑰

重要事項説明書 解説シリーズ 👁️ 24 views
流通業務市街地整備法とは?「流通業務地区」の建築制限と転売禁止ルール|重説シリーズ⑰

流通業務市街地整備法の「流通業務地区」における建築制限と転売禁止ルールを徹底解説。建築できる施設の種類、譲受人に課される制限、重要事項説明のポイントを初心者にもわかりやすく図解します。

📑 目次

流通業務市街地整備法とは?「流通業務地区」の建築制限と転売禁止ルール|重説シリーズ⑰

「流通業務地区」って、どんな場所なの?
ここに家やお店を建てることはできる?
「造成敷地」を買うと、どんな義務があるの?

この法律は、トラックターミナルや倉庫などが集まる「物流の拠点」を整備するための法律です。このエリア内では、物流に関係のない建物(住宅など)の建築が**厳しく制限**されます。また、この法律で造成された土地には、**建設義務**や**10年間の転売制限**といった強力なルールが課せられます。


🚚 法律の目的と役割:物流機能を郊外へ

「流通業務市街地の整備に関する法律(流通業務市街地整備法)」は、1966年(昭和41年)に制定されました。

当時、都心部にトラックターミナルや卸売市場が混在し、交通渋滞や物流機能の低下が問題となっていました。そこで、これらの施設を都市の周辺部(インターチェンジ付近など)に計画的に移転・集約し、**流通機能の向上**と**道路交通の円滑化**を図ることを目的としています。

都心部 混雑・渋滞 トラックと乗用車が 混在している 物流施設を移転 流通業務市街地 (郊外・IC付近) 倉庫 ターミナル 物流機能を集約 効率化&渋滞解消

(図解:都心から郊外への物流機能の移転イメージ)

流通業務市街地整備法のポイント

  • 物流施設(倉庫、卸売市場など)を集中的に立地させるエリアを作ります。
  • そのエリアを「流通業務地区」と呼びます。
  • 地区内では、物流に関係のない建物(住宅など)の建築が制限されます。

🏗️ 2つのエリア指定と建築制限

この法律には、広い範囲の「地区」と、その中で実際に造成事業が行われる「団地」という2つの概念が登場します。

流通業務地区 建築制限(法5条) 「流通業務施設」以外は 原則 建築禁止 ✕ 住宅 ✕ デパート ✕ 学校・病院 ○ 倉庫、市場、車庫 流通業務団地 (造成事業が行われるエリア) 土地を買った人には さらなる義務が発生 ① 建設義務(法37条) ② 10年転売制限(法38条)

(図解:「流通業務地区」と「流通業務団地」の制限の違い)

1. 「流通業務地区」の建築制限(法第5条)

都市計画で「流通業務地区」と定められたエリア内では、原則として**「流通業務施設」以外の建物は建てられません**。

もし、住宅や一般の店舗などを建てようとする場合は、都道府県知事(または市長)の**「許可」**が必要になりますが、地区の目的に合わないため、許可を得るのは非常に困難です。

  • 建てられるもの(許可不要): 倉庫、トラックターミナル、卸売市場、貯蔵槽、車庫、荷さばき場など。
  • 建てられないもの(要許可): 住宅、マンション、デパート、映画館、パチンコ店、学校、病院など。

2. 「流通業務団地」の2大制限(法37条・38条)

「流通業務地区」の中でも、実際に土地造成事業(流通業務団地造成事業)が行われた土地(**造成敷地**)を購入した人には、さらに厳しい義務が課されます。

これは、第12回・第15回などで解説した「転売防止」のルールと同じ仕組みです。

  • 建設義務(法37条): 土地を譲り受けた人は、施行者が定めた期間内に、計画通りの流通施設を**建設する義務**があります。
  • 譲渡制限(法38条): 工事完了の公告の翌日から**10年間**は、知事の承認なしに土地や建物の所有権を移転(売買)したり、貸したりすることはできません。

✅ 重要事項説明での扱いとチェックポイント

取引する土地がこの法律のエリア内にある場合、宅地建物取引業者はその内容を重要事項説明(重説)で買主に説明する義務があります。

1. 重説で説明される項目

重説では、該当する条文に応じて以下の点が説明されます。

  • 法律名: 流通業務市街地の整備に関する法律
  • 用途制限(法第5条1項):
    • 「流通業務地区」内である場合、流通施設以外の建築には**知事等の許可**が必要であること。
  • 譲渡制限(法第38条1項):
    • 「造成敷地等」である場合、工事完了公告から**10年間**、権利の移転等には**知事の承認**が必要であること。

2. 買主・仲介業者のチェックポイント

新人営業マンや買主様は、以下の点に注意して確認しましょう。

流通業務市街地整備法 取引チェックポイント

  • ① 「流通業務地区」かどうか?
    この地区内では、住宅やマンションを建てることは原則不可能です。用途地域が「準工業地域」や「工業地域」であっても、この法律の制限が上書きされます。
  • ② 「造成敷地」かどうか?
    もし取引対象が「造成事業で分譲された土地」であれば、10年間の転売制限がかかっている可能性があります。公告日から何年経過しているかを確認します。
  • ③ 事業用不動産としての適性
    逆に言えば、倉庫や物流センターを建てたい事業者にとっては、最適なエリアです。住宅との混在によるトラブルも少なく、物流に適したインフラが整っています。

❓ FAQ(よくある質問と回答)

Q1: 流通業務地区内に、コンビニやガソリンスタンドは建てられますか?

A1: 原則として「許可」が必要ですが、流通業務施設で働く人やトラックのために必要な施設(公益的施設等)として、許可が下りる可能性はあります。ただし、無条件に建てられるわけではなく、位置や規模などの審査があります。

Q2: すでに建っている住宅を買うことはできますか?

A2: 可能です。ただし、その住宅を**「建て替える」**ときや**「増築する」**ときには、法5条の許可が必要です。住宅はこの地区の目的に合わないため、建て替えの許可が下りない(=既存不適格建築物と同じような扱いになる)リスクがあります。住宅用地としての購入は推奨されません。

Q3: 10年以内に倉庫を売却したい場合はどうすればいいですか?

A3: 都道府県知事に「承認」の申請を行います。事業の継続が困難になった場合など、正当な理由があり、かつ買い手が同じように流通施設として利用することが確実であれば、承認が得られる可能性があります。

Q4: どんな場所に指定されていますか?

A4: 高速道路のインターチェンジ周辺や、幹線道路沿いのエリアに多く指定されています。例えば、東京都の平和島や葛西、大阪府の東大阪などが代表的な流通業務団地です。


まとめ

「流通業務市街地整備法」は、物流拠点を確保するための法律であり、住宅地とは対極にある規制を持っています。

🔑 流通業務市街地整備法における重要ポイント

  • 「流通業務地区」内では、倉庫やターミナル以外の建築は原則禁止(要許可)
  • 事業で造成された土地には、建設義務10年間の転売制限がある。
  • 住宅や一般店舗の用地としては不向きだが、物流事業者にとっては重要なエリア。

売買・仲介に携わる宅地建物取引業者は、このエリアが「物流専用」であることを正しく理解し、用途制限(法5条)や転売制限(法38条)の有無を正確に調査・説明する必要があります。

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✍️ 執筆者

小野 海士
宅地建物取引士 | 不動産実務15年 株式会社オッティモ 代表取締役

❓ よくある質問(FAQ)

Q 空き家を売却する際に必要な書類は何ですか?
A

空き家を売却する際には、以下の書類が必要です:

  • 登記済権利証または登記識別情報
  • 固定資産税納税通知書
  • 建物の図面や測量図
  • 身分証明書
Q 査定にはどのくらいの時間がかかりますか?
A

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