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旧耐震の家を売る前に 耐震診断の記録と確認書類

売却ノウハウ • • 👁️ 8 views
旧耐震の家を売る前に 耐震診断の記録と確認書類

1981年5月31日以前に新築工事に着手した建物は、一定の耐震診断の記録があれば、売買時に内容が説明されます。診断の実施が一律に必要という制度ではありません。対象の見分け方や確認済証、報告書などの確認ポイントを解説します。

📑 目次

ミナミナお客様から「昭和56年5月31日以前に新築工事に着手した実家を売りたいが、耐震診断がないと売れないのですか」とご相談がありました。

タケさんタケさん結論から言うと、耐震診断を新たに行うことまでを、重要事項説明宅建業者が契約前に、物件や取引条件の重要な事項を宅地建物取引士が書面で説明すること。買主・借主が不利益を受けないための手続きです。の項目は決めていないんだ。耐震診断、つまり地震に対する安全性を評価することを受けているなら、その内容が説明される。

ミナミナ重要事項説明とはどういう意味ですか。

タケさんタケさん契約が決まるまでに、不動産取引で大事な内容を書面で伝えることだよ。耐震診断の記録があるかどうかを、まず分けて考えよう。

リクリク手順としては、売主がまず記録の有無を整理し、売却を相談する不動産会社へ伝える流れでよいですか。

診断がないから売れない、とは読み替えない

昭和56年5月31日以前に新築工事に着手した家を売る場面では、「耐震診断の紙がない」と気づいた時点で不安になりやすいです。相続した家の書類を机に広げても、見つかるのは古い書類だけということもあります。ここで大切なのは、耐震診断を受けた記録があるかどうかと、新しく診断を行う必要があるかどうかを、同じ話にしないことです。

不動産取引の説明ルールを定めた宅地建物取引業法では、契約が成立するまでに、宅地建物取引士が書面を交付して重要事項説明を行います。建物の売買では、その説明項目に耐震診断に関する内容が含まれます。ただし、昭和56年6月1日以降に新築工事へ着手した建物は、この耐震診断に関する説明の対象から除かれます。

対象となる建物でも、説明されるのは「耐震診断を受けたものであるとき」の内容です。国土交通省の解釈・運用の考え方でも、この説明の仕組みは、不動産会社に耐震診断そのものを実施させるものではないと明記されています。書類が見つからないだけで、直ちに新しい診断をしなければ売却できない、と決めつける必要はありません。

売主として最初にすることは、記録の有無を落ち着いて整理することです。見つかった書類があるなら保管し、ないなら「ない」と伝えられる状態にします。売却の前にこの整理をしておくと、耐震診断の有無と、これから診断を受けるかという別の判断を混同せずに進められます。

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書類がないときも含めた建物の見分け方

手元にある記録建物の区分判断に使う日付
確認済証または検査済証建物確認済証交付年月日
確認済証・検査済証がない居住用で区分所有ではない建物表題登記日が昭和56年12月31日以前
確認済証・検査済証がない事業用または区分所有建物表題登記日が昭和58年5月31日以前

先に見るのは、診断結果ではなく建物を判断する書類です

対象となる建物かを考える際は、確認済証または検査済証に記載された確認済証交付年月日を基にします。確認済証は、建築の確認に関する書類です。検査済証は、検査に関する書類です。どちらも見当たらないときは、建物の表題登記を基にします。表題登記とは、建物の所在や種類などを登記に記録することです。

居住用で区分所有ではない建物は、表題登記日が昭和56年12月31日以前なら、耐震診断の説明を行う対象として扱われます。区分所有建物とは、専有部分を持つ建物です。事業用建物と区分所有建物では、表題登記日が昭和58年5月31日以前なら対象として扱われます。家屋課税台帳に建築年月日の記載があるときも、確認済証などがない場合と同様の扱いです。

よくある失敗は、建築年だけを見て「診断が必須」と決めることです。新築工事への着手時期や、確認済証交付年月日、表題登記日には、説明の対象を見分けるための役割があります。書類の種類ごとに見る日付が違うため、古い家という印象だけで判断すると、診断の有無の話まで混ざってしまいます。

ミナミナお客様から「診断結果の書類が見つからないなら、すぐ診断を頼むべきですか」とご相談がありました。

タケさんタケさんそこは、まず記録が本当にないかを見る。記録がないことと、診断を必ず新しく受けることは別だよ。

リクリク耐震診断の記録がない場合は、売主や所有者に照会して、その結果を伝える段取りですね。

タケさんタケさんそう。見つかった結果報告書があれば、その内容を説明につなげる。見つからないなら、その事実を整理しておけばいい。

耐震診断とは、地震への安全性を評価することです

耐震診断は、地震に対する安全性を評価することです。耐震改修とは、地震に対する安全性を高めるために行う増築、改築、修繕、模様替え、一部除却または敷地整備です。診断は評価であり、改修は安全性を高める工事です。この違いを分けておくと、手元の記録を見たときに慌てません。

耐震診断の内容を説明する際には、耐震診断結果報告書の写しを別に添えることができます。国土交通省の解釈・運用の考え方では、耐震基準適合証明書の写しも添付できる書類の一つです。耐震基準適合証明書とは、耐震基準への適合を証する書類です。

記録の有無については、売主や所有者に照会します。必要に応じて、管理組合や管理業者にも問い合わせます。管理組合とは、区分所有建物の管理を行う団体です。記録が存在しないことを確認できた場合は、その照会によって調査義務を果たしたことになると示されています。ここでも中心になるのは、新しい診断を当然に求めることではなく、既にある記録を探して有無を整理することです。

売却前に進める3つの手順

1. 売主が確認済証または検査済証を探し、確認済証交付年月日を見る
→
2. 書類がなければ、売主が表題登記日または家屋課税台帳の建築年月日を見る
→
3. 売主が耐震診断の記録の有無を整理し、売却を相談する不動産会社へ伝える

書類がないときは、売却方法まで一度に決めない

耐震診断の記録が見つからないときは、まず「記録がない」と整理するところまで進めます。そのうえで、耐震診断を受けるか、耐震改修を考えるか、売却をどう進めるかを別々に考えます。耐震診断の有無や結果だけから、その家が耐震基準に適合しているかを一律に決めることはできません。

売却方法には、売主が費用を負担して引き取ってもらう売却方法もあり、0円より下(売主が引き取り費用を負担する形)になることがあります。ただし、耐震改修や売却方法の費用、売却への効果は、個別の物件条件や自治体の制度で変わります。診断記録がないという一点だけで、補強や売却方法を急いで選ばないことが大切です。

重要事項説明の耐震診断は、「すでに受けた診断があるなら内容を伝える」という仕組みです。売主は書類を探し、見つからない場合も記録の有無を整理して伝えます。この順番なら、書類探しと今後の売却判断を分けて進められます。

✅ 売却相談の前に手元で整理する項目

  • 確認済証または検査済証を手元で探したか
  • 書類がない場合に表題登記日を確認したか
  • 家屋課税台帳の建築年月日を見たか
  • 耐震診断の記録の有無を整理したか
  • 耐震診断結果報告書の写しを保管しているか
  • 売却相談時に記録の有無を伝える準備

まとめ:まずは診断記録の有無を分けて整理します

昭和56年5月31日以前に新築工事に着手した建物では、耐震診断を受けているときに、その内容が重要事項説明で扱われます。一方で、この仕組みは耐震診断を新たに実施する義務まで定めたものではありません。

確認済証や検査済証があれば記載の日付を見ます。書類がなければ、表題登記や家屋課税台帳を手掛かりにします。その後に耐震診断の記録の有無を整理し、売却の相談先へ伝える流れで進めます。ご不明な点は、無料相談で個別にお答えしています。お気軽にご相談ください。

出典: e-Gov法令検索 / 国土交通省

参考(グラウンディング): 全日本不動産協会 重要事項説明書補足資料(令和7年4月) / 全日本不動産協会 重要事項説明書(売買編)解説書 / 全日本不動産協会 不動産売買契約書 条項例集(作成時点)

小野海士

この記事を書いた人

小野海士宅地建物取引士株式会社オッティモ 代表取締役

不動産実務15年。東京都荒川区を拠点に、相続・空き家・訳あり物件の買取(日本全国)や売却(関東・大阪・名古屋・福岡と、その他一部地域)のご相談を手がけています。「他社に断られた物件」のご相談もお受けしています。難しい不動産の手放し方を分かりやすく解説します。不動産業者向け業務SaaS「anken.」の開発者でもあります。

公開日 最終更新

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