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不動産売買契約を解除できる場面は?手付・ローン・契約違反の違い

売却ノウハウ • • 👁️ 10 views
不動産売買契約を解除できる場面は?手付・ローン・契約違反の違い

売買契約を結んだ後でも、手付による解除、ローンが成立しない場合、相手方の契約違反など、条件によっては解除できることがあります。売主が確認したい契約書の定め、手付金の扱い、解除時の注意点を整理します。

📑 目次

ミナミナお客様から「売買契約を結んだ後ですが、やめたいと思ったら手付解除で終わりますか」とご相談がありました。手付解除とはどういう意味ですか。

タケさんタケさん結論から言うと、やめたい理由だけでは決められない。手付解除、ローン特約、相手の契約違反は、使う条件が別なんだ。

リクリク解除を伝える前に、売主か買主かと、契約書にある期限を整理する順でよいですか。

契約をやめたいときは、3つの入口を混ぜないことが先です

売買契約を結んだ後、机の上に契約書と重要事項説明書宅建業者が契約前に、物件や取引条件の重要な事項を宅地建物取引士が書面で説明すること。買主・借主が不利益を受けないための手続きです。(=契約前に取引の大切な条件を説明する書面)の2つを置き、「やめられるか」を考える場面があります。このとき、手付解除、ローン特約(=ローンが成立しないときの契約の扱いを決める約束)、相手の契約違反による解除を同じものとして扱わないことが大切です。

手付解除は、買主が手付(=買主が売主へ交付した金銭)を放棄する、または売主が手付の倍額を現実に提供する方法です。ただし、相手方が履行に着手した後には使えません。履行に着手(=契約で約束した行動を始めること)の具体的な中身は、事情を見て判断します。

ローン特約は、金融機関の融資が認められないときなどの扱いを契約で定めるものです。一方、相手の契約違反による解除は、約束した行動が行われないことを理由に考える方法です。どの入口を使うかで、見るべき記載も金銭の扱いも変わります。まずは、契約書と重要事項説明書にある「契約の解除に関する事項」を読むことから始めます。

宅地建物取引業者(=不動産取引を業として行う者)が行う重要事項説明では、契約の解除に関する事項が説明されます。宅地建物取引士(=重要事項を説明する人)が書面を交付して説明する仕組みです。解除に関する定めがあるときは、契約成立時に交付される書面にも内容が記載されます。

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手付解除・ローン特約・契約違反による解除の違い

解除の種類見るきっかけ主な条件金銭の扱い
手付解除契約を終わらせたい相手方の履行着手前買主は手付放棄
ローン特約による解除融資が認められない契約のローンに関する記載受領金銭を無利息で返還する記載
契約違反による解除相手方が約束を履行しない催告後も履行がない原状に戻す義務

手付解除は、相手が約束した行動を始める前が分かれ目です

民法第557条第1項では、買主は手付を放棄して解除できます。売主は、手付の倍額を現実に提供して解除できます。どちらの側から解除するかで、行うことが分かれます。

ただし、手付解除は相手方が履行に着手した後にはできません。履行に着手したかどうかは、条文に具体的な行為の一覧がありません。そのため、「もう動き始めているから手付解除は無理だ」と口頭だけで決めず、契約の内容と実際に行われたことを分けて見ます。

手付解除では、民法第545条第4項の損害賠償請求に関する規定は適用されません。ここでは手付金そのものの意味や金額の説明を広げず、解除の方法と使える時点がポイントです。

ミナミナお客様から「ローンが通らなければ、必ず契約をやめられますか」とご相談がありました。ローン特約はどういう意味ですか。

タケさんタケさんローン特約は、ローンが成立しないときの扱いを契約で決める約束だ。ローンが通らないという言葉だけで、当然に解除できるとは決められない。

リクリク契約書では、融資が認められないときの解除と、受け取った金銭の返還について読む形ですね。

ローン特約と契約違反による解除は、理由と手順が違います

ローン特約による解除は、ローンを利用する売買契約で、金融機関との金銭消費貸借に関する保証委託契約が成立しないとき、または融資が認められないときの扱いとして記載されます。国土交通省の通達では、売主または買主が売買契約を解除できる旨を明記する事項として示されています。

同じ通達では、ローン利用の売買契約を解除したとき、売主が手付または代金の一部として受領した金銭を、無利息で買主へ返還する旨も明記する事項として示されています。ローンが不成立だったという事情だけを見るのではなく、契約に書かれた解除の扱いまで読みます。

相手の契約違反による解除は、債務不履行(=契約で約束したことを行わないこと)を理由に考えます。民法第541条では、相手方が約束を履行しないとき、相当の期間を定めて履行を催告(=期限を示して実行を求めること)し、その期間内に履行がなければ解除できます。ただし、その不履行が軽微であるときは、この方法で解除できません。

債務の全部を履行できないときや、全部を履行しない意思を明確に示したときなどは、催告をせず直ちに解除できる場合があります。また、解除を求める側の責任で履行されなかったときは、この解除はできません。解除が行われたときは、各当事者に原状に戻す義務が生じます。金銭を返還するときは、受領時からの利息も扱います。

解除を考えたときに読む順番

1. 契約書と重要事項説明書の2つを開く
→
2. 「契約の解除に関する事項」の記載を読む
→
3. 手付解除・ローン特約・契約違反の入口を分ける
→
4. 手付解除なら相手方の履行着手前かを整理する
→
5. 解除するなら相手方へ解除の意思表示をする

よくある失敗は、ローン不成立と契約違反を同じ理由にすることです

よくある失敗は、「ローンが通らなかったから契約違反だ」と考えてしまうことです。ローン特約は、融資が認められないときの扱いを契約で決める話です。相手の契約違反による解除は、相手方が約束を履行しないことを理由にする話です。出発点が違います。

この混同が起きるのは、どちらも最終的に「契約をやめたい」という場面で出てくるからです。しかし、ローン特約ではローンに関する記載を読みます。契約違反では、誰が何を履行していないのか、催告が必要かを整理します。

民法第540条第1項では、契約または法律の規定で解除できる当事者は、相手方への意思表示で解除します。一度した解除の意思表示は撤回できません。解除を急いで伝える前に、3つの入口のどれなのかを整理することが、後の混乱を減らします。

✅ 契約をやめたいと思ったときの確認項目

  • 契約書と重要事項説明書の2つを手元に置いたか
  • 解除に関する記載を最後まで読んだか
  • 手付解除なら相手方が履行に着手した後か
  • ローンに関する解除の記載が契約書にあるか
  • 相手方が履行していない約束を説明できるか
  • 解除の意思表示を伝える前に整理したか

まとめ:理由に合う解除の入口を、書面から見つけます

まとめると、手付解除は相手方が履行に着手する前に使う方法です。買主は手付を放棄し、売主は手付の倍額を現実に提供します。ローン特約による解除は、融資が認められないときなどの契約上の扱いを読みます。契約違反による解除は、相手方が約束を履行しないことを理由に考えます。

契約をやめたいと思ったときは、理由だけで結論を急がず、契約書と重要事項説明書の解除に関する記載を読みます。そのうえで、手付解除、ローン特約、契約違反のどれに当たる話かを分けることが大切です。ご不明な点は、無料相談で個別にお答えしています。お気軽にご相談ください。

出典: 国土交通省

小野海士

この記事を書いた人

小野海士宅地建物取引士株式会社オッティモ 代表取締役

不動産実務15年。東京都荒川区を拠点に、相続・空き家・訳あり物件の買取(日本全国)や売却(関東・大阪・名古屋・福岡と、その他一部地域)のご相談を手がける。「他社に断られた物件」の相談を数多く受けてきた経験から、難しい不動産の手放し方を分かりやすく解説している。不動産業者向け業務SaaS「anken.」の開発者でもある。

公開日 最終更新

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