居住誘導区域とは?区域外の届出と売買前の確認点
居住誘導区域は、生活サービスや地域のつながりを維持するために居住を誘導する区域です。区域外で住宅開発や一定戸数以上の新築を行う際の届出、売買前に計画図や過去の届出を確かめるポイントを解説します。
📑 目次
ミナお客様から「売る予定の土地で、買う人が3戸の住宅を新築する話があります。居住誘導区域とは何ですか」とご相談がありました。
タケさん結論から言うと、まず土地が居住誘導区域の外かを見よう。区域の外で3戸以上の住宅を新築するなら、届出の対象になるんだ。
ミナ届出とはどういう意味ですか。家を建てる前に、市町村へ知らせることですか。
リク手順としては、誰がいつまでに届け出るのかも、売却前に整理する形でよいですか。
土地を売る前に、区域の内外で話が変わります
相続した土地を売る場面では、買う人が住宅を建てる計画を持つことがあります。このとき、土地が居住誘導区域の外にあると、住宅の戸数や土地の広さによっては、工事を始める前に市町村長への届出が必要です。届出は、行為に着手する日の30日前までに行います。売却の話が進んでから初めて分かると、建築の予定日を組み直すことになります。
居住誘導区域とは、立地適正化計画(=市町村が住宅や施設をどこに集めるかを考える計画)に記載される区域です。国土交通省は、生活サービスや地域のつながりを続けるため、居住を誘導する区域と説明しています。区域の範囲は市町村ごとに定められます。そのため、土地の所在地だけで決めつけず、市町村が公表する立地適正化計画と区域図を見ることが出発点です。
届出制度は、居住誘導区域の外で行われる住宅開発などの動きを、市町村が把握するための仕組みです。売主にとって大切なのは、土地が売れるかどうかを急いで判断することではありません。買う人の建築計画が届出の対象かを早めに整理し、売買の前提をそろえることです。
売れないと言われた物件でも、相談はできます。再建築不可・残置物あり・長年の放置もそのままでどうぞ。相談は無料です。
無料で相談してみる居住誘導区域の外で届出対象として示される住宅計画
| 予定している行為 | 住宅の戸数 | 土地の広さ |
|---|---|---|
| 住宅の新築 | 3戸以上 | — |
| 住宅建築を目的とする開発 | 3戸以上 | — |
| 住宅建築を目的とする開発 | 1戸または2戸 | 1,000平方メートル以上 |
届出の対象は、新築だけではありません
都市再生特別措置法(=まちづくりに関する法律)第88条では、立地適正化計画の区域内で、居住誘導区域の外にある土地での一定の行為を届出対象にしています。住宅を建てるための開発行為(=住宅建築を目的に土地を整えること)と、住宅等の新築が主な対象です。
改築(=建物を直す工事)や、用途変更(=建物の使い道を住宅等へ変えること)も、届出対象となり得ます。ここでいう住宅等には住宅のほか、市町村の条例(=市町村が定めるルール)で定める、人が住むための建物も含まれます。
一方で、政令で定める戸数未満の住宅に係る建築などは、届出の対象から除かれます。政令で定める戸数は3戸です。また、市町村は条例により、同じ土地での建替えなど一定の行為を届出対象外とできます。住宅以外で人が住む建物を住宅等に含める定めや、建替えの扱いは、市町村の案内、条例、規則を見て判断します。
売却前にたどる届出の確認手順
売買では、建築計画と届出の扱いをそろえます
売買では、都市再生特別措置法第88条第1項と第2項が、土地や建物にかかる法律上の制限として列挙されています。重要事項説明書宅建業者が契約前に、物件や取引条件の重要な事項を宅地建物取引士が書面で説明すること。買主・借主が不利益を受けないための手続きです。(=売買契約の前に、物件にかかる大切な内容を説明する書類)で扱われる事項です。売る土地が居住誘導区域の外にあり、買う人に住宅計画があるなら、区域図と計画内容を切り離して考えないことが大切です。
よくある失敗は、土地が居住誘導区域の外にあることだけを見て、住宅の戸数や土地の広さを整理しないことです。届出の対象は、区域外でのすべての住宅工事ではありません。3戸以上の新築や、1戸または2戸の住宅建築を目的とする1,000平方メートル以上の開発など、行為の内容と規模を重ねて見ます。
同じ土地で開発行為と建築等行為の両方を行うときは、それぞれ届出が必要です。届出後に内容を変更するなら、変更に係る行為に着手する日の30日前までに変更届出が必要です。届出が必要な行為を無届で行った場合や虚偽の届出をした場合は、罰則の対象となり得ます。詳細は当該法令を確認してください。
ミナお客様から「区域の外なら、家を建てる予定だけ聞けばよいですか」とご相談がありました。
タケさんそれだけでは足りない。新築か、建物を直して住宅にするのか、何戸か、土地の広さはどうかまで見るんだ。
リク届出が必要なら、着手予定日の30日前までに市町村長へ出す流れですね。届出後に計画が変わるときも、同じ期限で考えますか。
タケさんそう。変更する行為に着手する日の30日前までに変更届出がいる。売却前に予定をそろえておくと、話が途中でずれにくい。
✅ 土地を売る前に手元で見る項目
- 対象不動産の所在地にある市町村の区域図を見たか
- 居住誘導区域の内側か外側かを地図上で見たか
- 住宅の戸数と対象となる土地の広さを整理したか
- 新築・改築・用途変更の予定を整理したか
- 着手予定日の30日前という届出期限を見たか
- 届出後に建築計画を変える予定がないか
売却前の結論は、区域図と建築計画を一緒に見ることです
まとめると、居住誘導区域は立地適正化計画に記載される区域です。土地を売るときは、所在地の市町村が公表する区域図で、土地が居住誘導区域の外かを先に見ます。そのうえで、買う人の住宅計画について、行為の種類、住宅の戸数、土地の広さ、着手予定日を整理します。
居住誘導区域の外で届出対象となる計画なら、市町村長への届出は着手日の30日前までです。売買の前に区域と計画をそろえておけば、届出の話を後回しにせず進められます。ご不明な点は、無料相談で個別にお答えしています。お気軽にご相談ください。
出典: e-Gov法令検索 / 国土交通省 / 自治体(city.sapporo.jp) / 自治体(city.nagasaki.lg.jp)
参考(グラウンディング): 全日本不動産協会 重要事項説明書(売買編)解説書(作成時点)
この記事で参照した法令(e-Gov法令検索): 都市再生特別措置法
この記事を書いた人
小野海士宅地建物取引士株式会社オッティモ 代表取締役
不動産実務15年。東京都荒川区を拠点に、相続・空き家・訳あり物件の買取(日本全国)や売却(関東・大阪・名古屋・福岡と、その他一部地域)のご相談を手がける。「他社に断られた物件」の相談を数多く受けてきた経験から、難しい不動産の手放し方を分かりやすく解説している。不動産業者向け業務SaaS「anken.」の開発者でもある。
公開日 最終更新
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