ガスの供給状況は重要事項説明の法定項目です|都市ガス・LPガスの確認ポイント
ガスの供給施設の整備状況は宅建業法第35条第1項第4号の法定説明事項です。引き込み工事費の買主負担、LPガス設備の所有者と契約の縛りなど、契約前に確かめておきたい点をまとめました。
📑 目次
この記事で分かること
ガスの供給状況が重要事項説明宅建業者が契約前に、物件や取引条件の重要な事項を宅地建物取引士が書面で説明すること。買主・借主が不利益を受けないための手続きです。の法定項目であること、引き込み工事費が買主負担になる場合があること、LPガス設備の所有者と契約の縛りについて解説します。
土地や中古住宅を買うとき、ガスが都市ガスなのかプロパン(LPガス)なのかは、住んでからの費用にも設備にも効いてきます。そしてこれは、不動産会社が必ず説明しなければならない項目です。
先に誤解をひとつ解いておきます。「ガス事業法による建築制限」という説明を見かけることがありますが、これは誤りです。ガス事業法の条文に「建築物」という語は一度も出てきません(全文8万8千字を確認しました)。ガス事業法はガス事業者を規律する法律で、周辺の土地に建築制限をかける仕組みは持っていません。
ガスの供給状況は「法定項目」です
重要事項説明で必ず説明する事項は、宅建業法第35条宅地建物取引業法で、契約の前に買主・借主へ重要事項を書面で説明する義務を定めた条文。重要事項説明書(重説)の根拠となる規定です。に列挙されています。その第1項第4号がこれです。
飲用水、電気及びガスの供給並びに排水のための施設の整備の状況(これらの施設が整備されていない場合においては、その整備の見通し及びその整備についての特別の負担に関する事項)
読み解くとこうなります。
- 今どうなっているか(都市ガスが引き込まれているか/LPガスか/未整備か)
- 未整備ならいつ整備される見通しか
- 整備にあたって買主が負担する費用があるか
とくに3つ目が実務では重要です。前面道路に都市ガスの本管が来ていても、敷地への引き込み工事費は買主負担になることがあります。数十万円規模になる場合もあり、「ガスは来ています」の一言で済ませてはいけません。
都市ガスとLPガスで確認することが違う
| 項目 | 都市ガス | LPガス(プロパン) |
|---|---|---|
| 供給 | 道路下の導管から引き込み | ボンベを敷地内に設置 |
| 確認先 | ガス事業者・自治体 | LPガス販売事業者 |
| 買うとき確認 | 本管の有無と引き込み費用 | 設備の所有者が誰か・契約の縛り |
LPガスで見落とされがちなのが設備の所有者です。給湯器やコンロを販売事業者が無償貸与しているケースがあり、その場合は契約を切り替えると設備の返還や残債の精算を求められることがあります。売主に契約書を確認してもらってください。
導管の位置は、建築計画に影響します
ガス導管が敷地の下や前面道路に埋設されている場合、掘削を伴う工事の際に事業者との協議が必要になります。これは建築を禁止する制度ではなく、工事の手順の話です。
なお、省令に「離隔距離」という規定はありますが、これも周辺の土地を縛るものではありません。
ガス発生器及び増熱器…並びにガス精製設備、排送機、圧送機、ガスホルダー及び附帯設備であって製造設備に属するもの…は、その外面から事業場の境界線…に対し、告示で定める距離を有しなければならない。
主語はガス工作物、測る先は事業場の境界線です。ガス事業者が自分の敷地の中で守る基準であって、隣の土地の所有者に建築制限をかける規定ではありません。
重要事項説明で確認したいこと
| 項目 | 重要事項説明での扱い |
|---|---|
| ガスの供給施設の整備状況 | 法定項目(第35条第1項第4号) |
| 未整備の場合の整備の見通し・特別の負担 | 法定項目(同上) |
| LPガス設備の所有者・契約の縛り | 法定項目ではないが、費用に直結するため確認すべき |
| 導管の埋設位置 | 法定項目ではない。掘削工事の際に協議が要るため確認すべき |
「ガスは通っています」だけでは不十分です。誰の設備で、いくらかかり、切り替えられるのかまで確かめてください。
ご注意:本記事は一般的な解説です。個別の物件については、ガス事業者・LPガス販売事業者および自治体への確認と、専門家への相談をお願いします。
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