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空家法改正で新設「管理不全空家」とは 勧告で住宅用地特例が解除に

空き家対策 👁️ 2 views
空家法改正で新設「管理不全空家」とは 勧告で住宅用地特例が解除に

令和5年12月施行の改正空家法は、特定空家になるおそれのある「管理不全空家等」への指導・勧告制度を新設。勧告を受けると固定資産税の住宅用地特例が解除される。所有者には管理に加え施策協力の努力義務も加わった。実務上の要点を整理する。

📑 目次

スタッフスタッフ社長、最近お客さんから『うちの実家、空き家のままだと税金が上がるって本当?』って聞かれたんですけど、これって例の空家法の話ですよね?

社長社長おっ、いいところに気づいたな。空家等対策の推進に関する特別措置法、令和5年に改正が施行されてな。これで空き家の扱いがけっこう変わったんだよ。

スタッフスタッフ令和5年…たしか12月でしたっけ?

社長社長そう、令和5年12月13日に改正法が施行された。元の法律は平成27年5月26日に全面施行されたやつでな、もう10年近く経つんだ。

そもそも空家法とは

空家等対策の推進に関する特別措置法は、議員立法による平成26年法律第127号として成立し、平成27年5月26日に全面施行されました。

その後、令和5年法律第50号「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律」が令和5年12月13日に施行され、空き家対策の枠組みが強化されています。

この改正の目玉のひとつが、新たに設けられた『管理不全空家等』という区分です。実務者としては、従来からある『特定空家等』との違いを正しく押さえておく必要があります。

スタッフスタッフその『管理不全空家』と『特定空家』、名前が似ていてどう違うのか毎回こんがらがるんですよ…

社長社長わかる、わかる。ざっくり言うとな、『特定空家等』は、もう放置すれば倒壊の危険があったり、衛生上ひどく有害になったり、景観を著しく損なってたり——要は“すでに問題が深刻”な状態のものだ。

スタッフスタッフじゃあ『管理不全空家』は?

社長社長そっちは“このまま放っておくと特定空家になりそう”という、いわば一歩手前の段階だな。改正でこの区分が新設されて、市区町村長が指導や勧告をできるようになったんだ。

スタッフスタッフなるほど、悪化する前に手を打てるようにしたってことですね。

管理不全空家等と特定空家等の違い

区分状態のイメージ行政の措置
管理不全空家等放置すれば特定空家等になるおそれがある状態指導・勧告(改正で新設)
特定空家等倒壊等の危険・著しい衛生上の有害・著しい景観の毀損など助言・指導→勧告→命令→代執行

指導から勧告への流れと、税の特例解除

管理不全空家等については、まず特定空家等への該当を防止するために必要な措置をとるよう指導が行われます。それでもなお状態が改善されず、特定空家等に該当するおそれが大きいと認められるときに、必要な具体的措置についての勧告が行われます。

ここで実務上きわめて重要なのが、勧告を受けると固定資産税の住宅用地特例(課税標準の特例)が解除され、対象から除外される点です。これは管理不全空家等だけでなく、特定空家等についても、周辺の生活環境の保全を図るために必要な措置を勧告した場合に同様の扱いとなります。

つまり『勧告』というラインを越えると、税負担の面で所有者に大きな影響が及ぶということです。

管理不全空家等への措置の流れ

指導(特定空家化の防止に必要な措置)
改善されず特定空家化のおそれが大きい
勧告(必要な具体的措置)
住宅用地特例の解除

スタッフスタッフ勧告で税の特例が外れるのは大きいですね…。ところで所有者には何か義務はあるんですか?

社長社長法律上、空家等の所有者や管理者は、周辺の生活環境に悪影響を及ぼさないよう適切な管理に努める——という努力義務がある。改正ではこれに加えて、国や自治体の施策に協力する努力義務も追加されたんだ。

スタッフスタッフ努力義務ってことは、守らなくても罰則はないんですか?

社長社長努力義務そのものは“努める”という性質だな。ただ特定空家等の方は、助言・指導、勧告、命令、最後は代執行と段階的な措置が法律で定められていて、命令に違反すると罰則の対象となり得る。詳しい金額や条文は当該法令を確認してくれよ。

スタッフスタッフ代執行まで…放置は本当にまずいんですね。

実務者として押さえたい締めくくり

まとめると、改正で新設された管理不全空家等は『指導→勧告』の流れがあり、勧告を受ければ住宅用地特例が解除されます。特定空家等は助言・指導、勧告、命令、代執行という段階的措置が定められ、命令違反は罰則の対象となり得ます。

一方、市町村は所有者等による適切な管理を促進するため、情報提供や助言その他必要な援助を行うよう努めるものとされています。所有者を追い込むだけでなく、支援の枠組みもある点はお客様への案内材料になります。

なお、管理不全空家等・特定空家等への措置の判断基準を示すガイドラインが国土交通省・総務省により定められ、令和5年12月13日に最終改正されています。個別案件の具体的な判断は、最新のガイドラインと当該自治体の運用を必ず確認してください。

出典: https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/housei/18720141127127.htm / https://laws.e-gov.go.jp/law/426AC1000000127 / https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000138.html / https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000035.html / https://www.mlit.go.jp/report/press/house03_hh_000160.html / https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/content/001385948.pdf / https://www.gov-online.go.jp/article/202403/entry-5949.html / https://www.env.go.jp/content/900492746.pdf

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✍️ 執筆者

小野 海士 (宅地建物取引士)

不動産実務15年