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特定空港周辺航空機騒音対策特別措置法とは?重要事項説明書での解説|重説⑤⑦

重要事項説明書 解説シリーズ 👁️ 6 views
特定空港周辺航空機騒音対策特別措置法とは?重要事項説明書での解説|重説⑤⑦

不動産の重要事項説明で必須の「特定空港周辺航空機騒音対策特別措置法」について詳しく解説。騒音区域の建築制限や移転補償制度の仕組み、重説での説明義務について宅建士向けに分かりやすく紹介します。

📑 目次
この記事では、特定空港周辺航空機騒音対策特別措置法について、重要事項説明書での扱いまで含めて詳しく解説します。対象となる3つの特定空港の周辺区域では、住宅建築の制限や移転補償制度があり、不動産売買時には宅建業法で説明が義務付けられています。不動産業者・購入者ともに知っておくべき重要な制度です。

特定空港周辺航空機騒音対策特別措置法の基本概要

要するに、特定空港周辺航空機騒音対策特別措置法とは、空港周辺の騒音問題を解決するために建築制限や補償制度を定めた法律です。航空機の騒音により生活環境が著しく悪化している地域での住民保護を目的としています。

法律の目的と背景

この法律は昭和42年に制定され、急速に発達した航空輸送に伴う騒音問題への対策として生まれました。空港周辺住民の生活環境を保全し、適正かつ合理的な土地利用を図ることを目的としています。 具体的には以下の措置を講じています。
  • 騒音区域における建築物の用途・構造の制限
  • 移転を希望する住民への補償制度
  • 緑地造成による環境整備
  • 防音工事の助成

対象となる空港と区域

現在、特定空港として指定されているのは以下の3空港です。
空港名 指定年月日 騒音区域設定状況 移転対象区域
大阪国際空港 昭和42年8月1日 第1種・第2種・第3種区域設定済 第1種区域
福岡空港 昭和47年10月14日 第1種・第2種・第3種区域設定済 第1種区域
成田国際空港 昭和53年4月17日 第1種・第2種・第3種区域設定済 第1種区域
各空港周辺では、騒音レベルに応じて第1種区域・第2種区域・第3種区域が設定されています。最も騒音の激しい第1種区域では住宅の移転補償が行われます。

重要事項説明での位置づけ

この法律に基づく規制は、宅地建物取引業法第35条第1項第14号により、重要事項説明で必ず説明しなければならない事項です。

重要事項説明での説明義務

  • 対象物件が騒音区域内に所在するかどうか
  • 該当する場合は区域の種類(第1種・第2種・第3種)
  • 建築制限の内容
  • 移転補償の対象となるかどうか

騒音防止区域・騒音防止特別区域の建築制限

結論として、騒音防止区域では住宅等の建築が制限され、騒音防止特別区域では原則として住宅の新築は認められません。これらの制限は、騒音による住環境悪化を防ぐための予防的措置です。

騒音防止区域の制限内容

騒音防止区域は、将来における航空機の騒音により生活環境が著しく阻害されるおそれがあると認められる区域です。この区域では以下の建築制限があります。 制限対象となる建築物
  • 住宅
  • 共同住宅、寄宿舎、下宿
  • 学校(大学、高等専門学校、専修学校の高等課程・専門課程を除く)
  • 病院、診療所
  • 図書館
  • 特別養護老人ホームその他これに類する社会福祉施設
これらの建築物を建築する場合は、国土交通大臣の許可が必要です。許可を受けるためには、防音上有効な構造とすることなどの条件があります。

騒音防止特別区域の制限内容

騒音防止特別区域は、現に航空機の騒音により生活環境が著しく阻害されていると認められる区域です。騒音防止区域よりもさらに厳しい制限が設けられています。
騒音防止特別区域では、住宅等の建築が原則として禁止されています。やむを得ない理由がある場合のみ、厳格な防音措置を条件として例外的に許可される場合があります。
騒音区域の建築制限レベル 空港 騒音防止特別区域 住宅建築原則禁止 騒音防止区域 許可制による建築制限 一般区域 制限なし 騒音レベル(強→弱)
区域種別 建築制限レベル 住宅建築 許可要件
騒音防止特別区域 最も厳格 原則禁止 やむを得ない理由+厳格な防音措置
騒音防止区域 中程度 許可制 防音上有効な構造
一般区域 制限なし 自由 なし

移転補償制度の仕組みと対象物件

移転補償制度とは、騒音により生活に支障をきたしている住民に対して適正価格で不動産を買い取り、代替地を提供する制度です。住民の生活再建を支援する重要な仕組みといえます。

移転補償の対象区域

移転補償の対象となるのは、第1種区域に所在する建築物です。第1種区域は、現に航空機の騒音により生活環境が著しく阻害されている区域として指定されています。 対象となる建築物は以下のとおりです。
  • 住宅(戸建住宅、共同住宅等)
  • 住宅以外で移転が必要と認められる建築物
  • これらに附属する工作物(倉庫、車庫等)

補償金の算定方法

移転補償金は、不動産鑑定評価等により適正な価格で算定されます。補償の内容は多岐にわたります。
補償項目 算定方法 備考
土地代 不動産鑑定評価による時価 近傍類地の取引事例等を参考
建物代 再建築価格から減価償却を控除 構造・築年数等を考慮
動産移転料 移転に要する実費 引越し費用、仮住居費等
営業補償 営業上の損失額 店舗等の場合
その他 移転に伴う諸費用 登記費用、仲介手数料等

移転の手続きと流れ

移転補償を受けるための手続きは、以下の流れで進められます。 申出から補償金支払いまでの期間は、通常6ヶ月から1年程度かかります。
  1. 移転補償の申出(所有者が空港事務所に申請)
  2. 現地調査・物件調査の実施
  3. 不動産鑑定評価の実施
  4. 補償金額の算定・提示
  5. 契約締結・補償金の支払い
  6. 物件の引き渡し

移転補償のメリット

  • 適正価格での確実な買取(市場価格での売却困難な物件も対象)
  • 代替地の紹介・あっせん
  • 移転に伴う諸費用の補償
  • 税制上の優遇措置(特別控除等)

緑地造成事業と土地利用制限

緑地造成事業とは、空港周辺の騒音区域を緑地として整備し、良好な生活環境を確保する事業です。住宅等の建築を抑制しつつ、環境改善を図る重要な施策です。

緑地造成事業区域の指定

緑地造成事業区域は、第2種区域または第3種区域のうち、緑地として整備することが環境改善に効果的と認められる区域が指定されます。 指定の基準は以下のとおりです。
  • 航空機騒音の影響により住環境の保全が困難な区域
  • 緑地としての整備により環境改善効果が期待される区域
  • 地域の都市計画との整合が図られる区域
  • 事業実施が技術的・経済的に可能な区域

土地利用の制限内容

緑地造成事業区域内では、以下の制限があります。
緑地造成事業区域内では、建築物の新築・増築・改築が制限されます。ただし、既存建築物の維持管理に必要な軽微な修繕は認められています。
制限される行為
  • 建築物の新築、増築、改築
  • 工作物の新設、増設
  • 土地の形質変更(造成、切土、盛土等)
  • 樹木の伐採(一定規模以上)
買取申出制度の活用 緑地造成事業区域内の土地所有者は、国に対して土地の買取を申し出ることができます。この制度により、土地利用制限による不利益の軽減が図られています。
買取制度 対象者 買取価格 申出時期
買取申出制度 土地所有者 制限がないものとして算定した価格 制限開始から1年経過後
先買い制度 譲渡予定者 時価 有償譲渡する場合
緑地造成事業により整備された緑地は、住民の憩いの場として活用されるほか、騒音の緩和効果も期待されています。

重要事項説明書での記載・説明方法

重要事項説明では、正確な調査に基づいて区域指定の有無を確認し、該当する場合は制限内容を具体的に説明することが求められます。説明不備は後日トラブルの原因となるため、慎重な対応が必要です。

調査方法と情報収集

調査は以下の手順で行います。 基本的な調査先
  1. 市町村の都市計画担当部署への照会(最も確実)
  2. 空港事務所への問い合わせ
  3. 国土交通省の公開情報の確認
  4. 都市計画図の確認
市町村では、対象物件の所在地を示して以下の事項を確認します。
  • 特定空港周辺航空機騒音対策特別措置法の対象区域か
  • 該当する場合は区域の種別(第1種・第2種・第3種)
  • 騒音防止区域・騒音防止特別区域の指定の有無
  • 緑地造成事業区域の指定の有無
  • 移転補償の対象区域か

説明書への記載例

重要事項説明書には、以下のような記載を行います。

記載例(該当する場合)

特定空港周辺航空機騒音対策特別措置法
本物件は同法に基づく以下の区域内に所在します。
・第○種区域:○○空港周辺航空機騒音対策区域
・騒音防止区域(該当する場合)
・緑地造成事業区域(該当する場合)

これにより、建築物の用途・構造について制限を受ける場合があります。詳細については○○市役所都市計画課(TEL:○○-○○○○-○○○○)にお問い合わせください。
記載例(該当しない場合) 「本物件は、特定空港周辺航空機騒音対策特別措置法に基づく区域の指定はありません。」

買主への説明ポイント

口頭説明では、以下の点を重点的に説明します。 該当する場合の説明事項
  • 航空機騒音の影響を受ける可能性があること
  • 建築制限の具体的な内容
  • 移転補償の対象となるかどうか
  • 将来の土地利用計画への影響
  • 騒音の実態(可能であれば現地での確認を推奨)
説明時の注意点
騒音の程度については主観的な判断が入りやすいため、客観的な測定データがある場合はそれを参考にし、最終的には買主自身での現地確認を推奨してください。また、航空機の運航状況は変更される場合があることも説明が必要です。
説明項目 説明内容 注意点
区域指定の有無 該当する区域名を具体的に 複数区域に該当する場合はすべて説明
建築制限 制限される建築物の種類と許可要件 将来の建替え計画への影響を説明
移転補償 対象となる区域と補償内容 申出から実施までの期間も説明
騒音の実態 測定データがあれば参考として提示 主観的判断は避け、現地確認を推奨

よくある質問

特定空港周辺航空機騒音対策特別措置法の対象空港はどこですか?

成田国際空港、大阪国際空港、福岡空港の3空港が指定されており、それぞれ周辺の騒音区域が設定されています。これらの空港周辺の物件では重要事項説明が必要です。

騒音防止区域内で住宅を建築することはできませんか?

騒音防止区域では住宅等の建築が制限されており、騒音防止特別区域では原則として住宅の新築は認められていません。ただし、一定の防音措置を講じた建築物については例外的に許可される場合があります。

移転補償はどのような基準で算定されますか?

移転補償金は不動産鑑定評価等により適正な価格で算定されます。土地・建物の価格のほか、動産移転料、仮住居費、営業補償なども対象となる場合があります。

緑地造成事業区域内の土地は売却できますか?

売却は可能ですが、建築制限により土地の利用価値が制限されているため、市場価格での売却が困難な場合があります。この場合、国に対して買取申出を行うことができます。

重要事項説明で説明しなかった場合はどうなりますか?

宅建業法違反となり、業務停止処分等の対象となる可能性があります。また、買主から損害賠償請求を受けるリスクもあるため、必ず適切な調査と説明を行ってください。


まとめ

特定空港周辺航空機騒音対策特別措置法は、成田国際空港・大阪国際空港・福岡空港の3空港周辺での騒音対策を定めた重要な法律です。 主要なポイントは以下のとおりです。
  • 騒音区域の分類:第1種・第2種・第3種区域に分けて規制
  • 建築制限:騒音防止区域では住宅等の建築に許可が必要、特別区域では原則禁止
  • 移転補償制度:第1種区域では適正価格での買取と代替地提供
  • 緑地造成事業:第2種・第3種区域での環境整備と土地利用制限
  • 重要事項説明義務:宅建業法で説明が義務付けられた事項
調査・説明のポイント
  • 市町村への照会による正確な区域確認
  • 該当する場合は制限内容の具体的説明
  • 騒音の実態については客観的情報の提供
  • 将来の建築計画への影響説明
不動産売買において、この法律に基づく規制は購入者の生活や将来計画に大きな影響を与える可能性があります。正確な調査と適切な説明により、安全で満足度の高い取引を実現することが重要です。 また、移転補償制度や買取申出制度は、制限により不利益を受ける住民への重要な救済措置となっています。これらの制度についても、対象となる顧客には適切な情報提供を行うことが求められます。

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✍️ 執筆者

株式会社オッティモ (宅地建物取引士)

不動産業界20年以上の経験を持つ専門家チーム

❓ よくある質問(FAQ)

Q 空き家を売却する際に必要な書類は何ですか?
A

空き家を売却する際には、以下の書類が必要です:

  • 登記済権利証または登記識別情報
  • 固定資産税納税通知書
  • 建物の図面や測量図
  • 身分証明書
Q 査定にはどのくらいの時間がかかりますか?
A

通常、現地調査を含めて1〜3営業日で査定結果をご報告いたします。お急ぎの場合は、最短即日での査定も可能です。