住宅ローン返済が難しいときの任意売却・競売と相談の時期
住宅ローンの返済が困難になった場合に確認したい、返済方法変更、任意売却、競売の違いを整理。任意売却の進め方や残債務、競売開始後に選択肢が狭まる場面も解説します。
📑 目次
ミナさん月々の返済が苦しくなってきたんです。金融機関に電話を1本かけたら、すぐ家を取られる気がして怖くて…
リク売るなら、任意売却と不動産競売のどちらになるんですか? それって何が違うんですか?
タケさん結論から言うと、まず返済中の金融機関に連絡するんだよ。火が出そうなときに、消火器を探す前に連絡するのと同じだろ? 任意売却は、ふだんの不動産取引として売る方法なんだ。競売は、裁判所が進める売却手続って話。
住宅ローンが払えないとき、任意売却と不動産競売を分けて考える
不動産競売は、抵当権などの担保権を持つ債権者が進める裁判所の手続です。抵当権とは、返済ができない場合に備えて不動産を担保にする権利です。債権者は担保権を実行し、不動産を売却して債権の回収を図ります。
任意売却は、不動産競売のような法的手続による強制的な処分ではありません。通常の不動産取引として行う売却です。住宅金融支援機構は、一般的に不動産競売より高値で売却できることが期待され、負債の縮減につながると案内しています。また、自宅の引渡時期を調整しやすく、退去後の生活設計を立てやすいとしています。
ただし、任意売却で得た返済金が債権額に足りないときは、破産免責となっている場合を除き、残った債務の返済義務は残ります。「売れれば全部終わる」と決めつけず、売却後に残る債務も含めて考えることが大切です。
売れないと言われた物件でも、相談はできます。再建築不可・残置物あり・長年の放置もそのままでどうぞ。相談は無料です。
無料で相談してみる任意売却と不動産競売の違い
| 項目 | 任意売却 | 不動産競売 |
|---|---|---|
| 売却の進め方 | 通常の不動産取引として行う売却 | 裁判所の手続による売却 |
| 売却価格への見通し | 一般的に高値で売却できることが期待される | 任意売却との価格差の一律な数値は確認できない |
| 自宅の引渡時期 | 調整しやすいと案内されている | 任意売却との比較では調整しにくい |
| 債務との関係 | 売却代金が債権額に満たない場合、残債務が残ることがある | 債権者が担保権を実行して債権回収を図る |
ミナさん任意売却なら、仲介業者に買い手を探してもらえばいいんですよね? 抵当権抹消って何ですか?
タケさん抵当権抹消は、担保にしている権利を外すことなんだよ。鍵を開けないまま家を渡せないのと似てる。住宅金融支援機構の手続では、売出価格を確認してから販売活動に進むんだ。確認していない価格で買い手を見つけても、抵当権を外すことに応じられない場合がある。
リク順番としては、先に返済中の金融機関へ連絡して、それから仲介業者を選ぶってことでいいですか?
タケさんその順でいいんだ。返済が難しくなった段階で、金融機関に具体的な申請手続を聞く。住宅金融支援機構では、全額繰上償還請求の前でも任意売却の申出をする運用が確認できる。競売が進んでからでは、場面によって取下げの条件が重くなるんだよね。
動く時期は「返済が難しい」と感じた時点から考える
手順は次の順に進めます。1. 月々の返済が困難になったら、まず返済中の金融機関へ連絡します。返済方法変更の可否は、金融機関または住宅金融支援機構が審査します。
2. 売却も考える場合は、仲介業者を選びます。住宅金融支援機構の任意売却手続では、売主が仲介業者を選定し、任意売却に関する申出書を提出します。
3. 仲介業者による価格査定を受け、売出価格を確認します。価格査定は、売却価格の目安を調べることです。確認後に媒介契約売主・買主が宅建業者に売買や賃貸の仲介を依頼する契約。一般・専任・専属専任の3種類があり、報告義務やレインズ登録期限が異なります。を結び、販売活動へ進みます。媒介契約は、仲介を依頼する約束です。
4. 買い手が見つかった後は、抵当権抹消への応諾審査を経て、売買契約、代金決済・抵当権抹消へ進みます。応諾審査は、担保の権利を外すことに同意できるかを見る段階です。
競売開始決定後でも、売却代金の納付前までは競売申立てを取り下げられると裁判所は案内しています。ただし、最高価買受申出人が決定された後の取下げには、原則として最高価買受申出人または買受人と次順位買受申出人の同意が必要です。買受人が売却代金を納付した後は取り下げられません。
よくある失敗は、売出価格の確認を後回しにして、先に買い手探しを始めることです。確認していない価格で購入希望者を見つけても、抵当権抹消に応じられない場合があるためです。時計の針が進むほど選べる手順が減ることがあるので、迷っている段階で相談先を決めます。
住宅金融支援機構の任意売却手続の流れ
✅ 金融機関へ連絡する前の確認チェックリスト
- 返済中の金融機関へ連絡する準備ができているか
- 返済方法変更の具体的な申請手続を確認したか
- 任意売却で仲介業者を選ぶ必要があるか
- 任意売却に関する申出書の提出を検討したか
- 売出価格について確認を受けたか
- 売却後も残債務が残る可能性を理解したか
- 他の返済もあり法律専門家への相談が必要か
まずは返済中の金融機関へ、状況を伝える
まとめると、任意売却は通常の不動産取引として進める売却であり、不動産競売は債権者が担保権を実行して進める裁判所の手続です。任意売却を考えるなら、仲介業者の選定、申出、価格査定と売出価格の確認を順に進めます。
最初の相談先は、返済中の金融機関です。他の返済も抱え、返済継続が難しい場合には、弁護士など法律の専門家への相談も案内されています。経済的に余裕がない人には、法テラスの無料法律相談や費用立替えの制度があります。ご不明な点は、無料相談で個別にお答えしています。お気軽にご相談ください。
出典: 官公庁(courts.go.jp) / e-Gov法令検索 / 官公庁(jhf.go.jp) / 官公庁(bit.courts.go.jp)
この記事を書いた人
小野海士宅地建物取引士株式会社オッティモ 代表取締役
不動産実務15年。東京都荒川区を拠点に、相続・空き家・訳あり物件の買取や売却のご相談を全国対応で手がける。「他社に断られた物件」の相談を数多く受けてきた経験から、難しい不動産の手放し方を分かりやすく解説している。不動産業者向け業務SaaS「anken.」の開発者でもある。
公開日
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