水道の引込管とは?口径・私設管を売却前に確認
水道の引込管は、道路の配水管から敷地へ水を引く管です。売却前に、引込管の口径、前面道路の配水管、他人の土地を通る私設管の有無を確認しましょう。図面の入手先や自治体ごとに異なる管理・費用の考え方も解説します。
📑 目次
ミナお客様から「相続した家を売りたいのですが、水道の引込管がどこから来ているのか分かりません」とご相談がありました。引込管とは、どういう意味ですか。
タケさん結論から言うと、呼び名だけで判断せず、家へ水を引く管と前面道路の管を分けて見ることだな。売買契約が成立するまでの場面では、水道の設備が整っているかも説明される。
リク手順としては、まず図面と前面道路の情報を見て、契約が成立する前に整理する形でよいですか。
売る前に見るのは「家へ入る管」と「道路の管」です
相続した家を売ろうとして、水道の引込管について聞かれて初めて困ることがあります。敷地の中にある管だけを見ても、前面道路にどの管があるかだけを見ても、水道の全体像はつかめません。売却前には、家へ水を引く管と、道路にある管を分けて見ます。
東京都水道局は、給水管を、配水管等から分岐して宅地や家屋に引き込んだ管と案内しています。配水管とは、水を配るための管です。給水管は顧客の財産であり、維持管理も顧客自身で行う必要があると案内されています。建物を壊して長く使わない管でも、そのまま放置してよいとは限りません。
口径を気にするときは、呼び径から見ます。呼び径とは、水道料金の算定に使う水道メータの口径区分です。水道メータは、使った水の量を測る器具です。東京都水道局では、呼び径は「水道・下水道ご使用量等のお知らせ」に記載されています。ただし、口径の良し悪しや工事費用の金額は、水道事業者や自治体によって違うため、ここで断定できません。
売れないと言われた物件でも、相談はできます。再建築不可・残置物あり・長年の放置もそのままでどうぞ。相談は無料です。
無料で相談してみる東京都水道局の資料で見られる水道情報
| 見る資料 | 読み取れる内容 |
|---|---|
| 給水装置図面 | 配管系統・口径・管種 |
| 水道管管理図電子閲覧 | 配水管・給水管・水道メータの位置 |
| 水道・下水道ご使用量等のお知らせ | 呼び径 |
図面は、管のつながりと太さを知る入口です
給水装置とは、配水管から分岐した給水管と、それに直結する水を使う器具のことです。東京都水道局では、給水装置図面を、給水装置の設置や変更工事の際に作る完成後の図面として扱っています。この図面は、給水管の配管系統、口径、管種を把握するための基礎資料です。管種とは、管の材質の区分です。
図面で分かるのは、どのように管がつながり、どの口径の管が描かれているかです。口径を変えるときには、変更後の呼び径に合う口径へ配管を取り替える必要がある場合もあります。そのため、古い家だから小さい、戸建てだから十分といった決めつけは避けます。
水道の供給条件は、水道事業者が定める供給規程で扱われます。供給規程とは、料金や給水装置工事の費用負担などの条件を定めたルールです。水道法では、給水装置工事の費用負担区分や額の算出方法を、適正かつ明確に定めることが求められています。物件ごとの工事内容や負担額は、このルールだけで決めつけず、当該の水道事業者で見ます。
売買では、重要事項説明宅建業者が契約前に、物件や取引条件の重要な事項を宅地建物取引士が書面で説明すること。買主・借主が不利益を受けないための手続きです。も関わります。重要事項説明とは、契約前に書面で大切な条件を伝える説明です。宅地建物取引業法第35条宅地建物取引業法で、契約の前に買主・借主へ重要事項を書面で説明する義務を定めた条文。重要事項説明書(重説)の根拠となる規定です。第1項第4号では、飲用水の供給施設、つまり飲み水を届ける設備の整備状況が説明の対象です。設備が整備されていないときは、整備の見通しと特別の負担、つまり通常とは別にかかる費用も説明の対象になります。
売却前に水道の情報をたどる順番
ミナお客様から「前面道路に水道管があるなら、家の水道も問題ないですよね」とご相談がありました。配水管が見つかれば十分ではないのですか。
タケさんそこは見てみないと分からない。前面道路の配水管は、水を配るための管だ。家へ入る給水管の経路や持ち主まで、道路の情報だけで決めないことだな。
リク前面道路の管を見ることと、敷地へ入る管の経路や所有者を見ることを、分けて進めます。
前面道路にある管だけで、私設管の負担は決めません
よくある失敗は、前面道路に管があることだけで、水道の話は終わったと考えることです。この失敗が起きるのは、道路の管と、個人が設けた管の管理が同じに見えやすいためです。前面道路とは、敷地に接する道路です。
横浜市水道局では、前面道路の埋設管である配水管の情報を、給水工事受付センター、管路情報閲覧システム、Web利用サービスで提供しています。また、給水装置工事完成図と私有管台帳を管路情報として扱っています。私有管とは、個人が所有する水道管です。
横浜市水道局の案内では、公道内に平行して布設する給水管を譲渡しない場合、道路管理者などへの占用や掘削の許可申請手続を申込者の責任で行います。公道内私設水道管については、維持管理、道路掘さく・占用許可申請、道路占用料などの納付を設置者が行う内容です。道路を横切る管は譲渡の対象外です。
他人の土地を通して給水管を引き込む場合は、東京都水道局の案内では土地所有者の承諾が必要です。隣地を通る給水管を移設するときも、給水管の所有者が指定事業者へ依頼して施工します。前面道路の情報、給水装置図面、管の経路を並べて見ることで、売却前に話すべき点が見えてきます。
分からないまま売却方法を急がないために
水道の管について分からない点があるときは、まず手元の書類と図面から、分かる範囲を整理します。次に、前面道路の配水管と、敷地へ入る給水管を分けて見ます。個人が所有する管が道路内にあるか、他人の土地を通る経路があるかも、売却前に話題にします。
給水管を長期間使わずに漏水すると、道路陥没などの二次被害につながることがあると東京都水道局は案内しています。使う見込みのない給水管について、東京都水道局では顧客自身で撤去する案内もあります。建物を使わない状態であっても、管の扱いを後回しにしないことが大切です。
売却には、0円より下、つまり売主が費用を負担して引き取ってもらう売却方法になることもあります。水道の情報だけで売却条件を決めるのではなく、分かっている設備の状態を整理してから、売却の進め方を考えます。
✅ 売却前に手元で確認する水道のポイント
- 水道・下水道ご使用量等のお知らせに呼び径の記載があるか
- 給水装置図面で給水管の配管系統を読めるか
- 前面道路の配水管の位置を調べたか
- 道路内に個人所有の水道管があるか
- 他人の土地を通る給水管があるか
- 売買契約が成立する前に水道情報を整理できるか
まとめ:口径より先に、管の場所と持ち主を整理します
水道の引込管を売却前に見るときは、家へ水を引く給水管、前面道路の配水管、個人が所有する管を分けて整理します。呼び径は手元のお知らせで見られ、給水装置図面では配管系統や口径をたどれます。前面道路に配水管があっても、それだけで管の経路や管理の話を終わらせません。
飲用水の供給施設の整備状況は、売買契約が成立するまでに説明される大切な情報です。設備が整備されていないときは、整備の見通しと特別の負担も説明の対象です。図面と道路の情報を先にそろえれば、売却前に水道の話を落ち着いて整理できます。ご不明な点は、無料相談で個別にお答えしています。お気軽にご相談ください。
出典: e-Gov法令検索 / 国土交通省 / 自治体(waterworks.metro.tokyo.lg.jp) / 自治体(city.yokohama.lg.jp)
この記事で参照した法令(e-Gov法令検索): 宅地建物取引業法
この記事を書いた人
小野海士宅地建物取引士株式会社オッティモ 代表取締役
不動産実務15年。東京都荒川区を拠点に、相続・空き家・訳あり物件の買取(日本全国)や売却(関東・大阪・名古屋・福岡と、その他一部地域)のご相談を手がける。「他社に断られた物件」の相談を数多く受けてきた経験から、難しい不動産の手放し方を分かりやすく解説している。不動産業者向け業務SaaS「anken.」の開発者でもある。
公開日 最終更新
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